北から南まで、アメリカ大陸では代表チームの指揮官に動きが見られている。最もサプライズと言えるのが、アメリカ代表だろう。29日、元ドイツ代表のユルゲン・クリンスマン監督が、新たにアメリカ代表の指揮官に就任することが決まった。クリンスマン新監督の任務は、アメリカ代表を2014年のブラジル・ワールドカップ(W杯)に出場させることだ。

だが、本当に騒がしくなっているのは南米の方である。コパ・アメリカを終え、著名な“犠牲者”となったのは、アルゼンチン代表のセルヒオ・バティスタ監督とパラグアイ代表のヘラルド・マルティーノ監督だ。一方、ブラジル代表はマノ・メネゼス監督が続投している。

史上最強の選手だったディエゴ・アルマンド・マラドーナ氏の後を継ぐのは、簡単なことではない。コパを制覇するだけの適切なチームがあると騒がれ、ましてや母国で大会が開催されるとなればなおのことだ。大変なプレッシャーの中で、結果が芳しくなければ、その結果は当然のものとなる。

コパが閉幕する前から、バティスタ氏は“無職”と見られていた。メディアは激しく批判し、アルゼンチンサッカー協会は長く考えることなく、同氏を解任することとなった。アルゼンチンがブラジルW杯に出場すれば、指揮を執るのは新たに就任するアレハンドロ・サベジャ監督となる。南米で最も難しい職務の一つとなるだろう。

一方、ブラジルのメネゼス監督は、少なくとも今のところは救われた形だ。ブラジルにとってコパが落胆の結果に終わったことは疑いようもない。そしてメネゼス監督は、その信頼を大きく損ねることとなった。メディアよりも国民に批判されたのだ(『グルーボエスポルチ』や『ラジオ・バンデイランテス』の批判は穏やかなものだった)。しかし、メネゼス監督は続投が決まった。それでも、さらなる失敗は許されないはずだ。

勝って、去る。インテルに多くのトロフィーをもたらしたジョゼ・モウリーニョ監督など、数少ない指揮官だけがそれをしてきた。パラグアイ代表のマルティーノ監督は、コパ・アメリカを制したわけではない。だが、彼が率いたパラグアイがファイナリストになったことは、今夏最大のサプライズだった。

それでも、不十分だったようだ。パラグアイもまた、ページをめくらなければいけないのである。マルティーノ氏は退任について、「最大限の成長というシナリオを想像していた。今は続けていく刺激がない」と説明した。マルティーノ氏の後任は、フランシスコ・チキ・アルセ監督だ。

また、エクアドルにも注目だ。改革の風は、彼らをも巻き込むかもしれない。