トリケラトプスを虎視眈々と狙うティラノサウルス。その決着やいかに!?

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7月2日(土)〜10月2日(日)に、国立科学博物館(東京・上野)で「恐竜博2011」が開催される。この博物展の最大の見どころは、最新研究に基づいたティラノサウルスとトリケラトプスの復元展示と、「対決」をテーマにこの2体が対峙する緊迫した場面の再現。6月21日に、この2体の組み立て作業が報道陣に公開され、恐竜ウォッチャ−を自負する記者が密着取材に行ってきた。

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まず、はじめに行われたのはティラノサウルスの組み立て。先に足の部分が組み立てられ、そこを土台に背骨や尻尾、次に肋骨、最後に頭部という順序で進められた。全長約10m、骨の総数200超の骨格を組み立てるために要したのはたったの2時間ほど。これほどまでに巨大な標本がこの短時間で組み立てられたことは圧巻だった。さらに驚かされたのはその組み立て方。背骨や尻尾などの各部位には鉄の棒が取り付けられていて、それをつなぎ合わせて組み立てていくのだ。肋骨に至ってはジグソーパズルのように背骨のくぼみにひとつずつはめていく。プラモデルのようにいとも簡単そうに組みあがっていくその様子は、化石の持つ重厚なイメージからはなかなか想像できない。

そうして完成したのは世界初公開の“待ち伏せ姿”。ブーツに似た形の恥骨で大きな体を支え、まるで犬のように座る姿はとても恐竜とは思えないくらいに可愛らしい。全長約10mという巨体に対して、腕は人間の腕とほぼ同じ長さ。その胴体と腕の対比は一見するとバッタのようだ。そのほかにも、大きくて長い尻尾を支える役割をしていた坐骨や、人間の鎖骨にあたる叉骨など、しゃがんでいるからこそ細部までしっかり観察できる。展示スペースには詳しい解説があるので、各部位がどのような働きをしていたか考えながら見てみるとより一層楽しめるはず!

トリケラトプスもティラノサウルス同様に足の組み立てから始まり、胴体、頭という手順で組み立てられた。こちらも2時間ほどで完成したが、そのサイズに記者は驚愕!! その大きさたるや、組み立てをしていた作業員たちが展示スペースに収まらないかもしれないと慌てるほどだった。その猛々しい勇姿とティラノサウルスの待ち伏せ姿とを比べるとどちらが肉食恐竜か分からないくらいで、頭をつき合わせて展示されている2体の姿は、まさにティラノサウルスがトリケラトプスのことをしたたかに待ち伏せしているかのようで見ごたえがある。

組み立て完了後、今回の恐竜博の監修を担当している国立科学博物館の真鍋真博士が2体の標本を解説。真鍋氏は2体に挟まれる形で立っていたが、2体の恐竜の迫力は今にも真鍋氏を食べてしまいそうなほどの強烈さだった。真鍋先生は骨格標本以外の展示にも触れ、「大型シアターで、最新研究に基づいてCGにより再現されたティラノサウルスの“羽毛”や、ティラノサウルスとトリケラトプスの大迫力バトル映像が見られます」とその見どころを語っていた。

今回組み立てた標本が展示される「恐竜博2011」は7月2日(土)〜10月2日(日)に開催。恐竜たちの大迫力かつユニークな姿が見られるこの博覧会は子供たちの夏休みの自由研究やデートスポットにもオススメ!この夏は“ティラノvsトリケラ”の熱いバトルが見逃せない!【東京ウォーカー】