韓国メディアは、北朝鮮の金正日総書記の訪中で、中国に最新鋭の戦闘機を分けて欲しいと希望したが中国側に拒否されたと報じた。中国側はさらに、北朝鮮からの「破格の支援」要請を拒み、「市場の原理に従うべきだ」と強調した。これを不満とした金総書記は、経済担当官僚を両国首脳会談に同席させず、トップ会談には、ばつの悪いムードが漂ったという。シンガポール華字紙・聯合早報が伝えた。

 韓国「朝鮮日報」によると、金総書記の今回の訪中には軍関係者が同行したが、北朝鮮が軍現代化のために中国側に支援を求めるためだったとみられる。軍事面で韓国と北朝鮮を比較すると、北朝鮮の最大の弱点は戦闘機だ。昨年5月の訪中時にも、金総書記は胡錦涛主席に戦闘機30機の提供を申し出たが、中国側は拒絶したという。もし、中国が北朝鮮への戦闘機供給を承諾すれば、韓国、米国と中国との関係が悪化することは目に見えている。この点から見て、中国が北朝鮮の要求を受け入れることはまずあり得ない。

 経済支援についても、金総書記が「破格の支援」を願い出たが、温家宝首相は、「中朝両国の経済協力は、市場原理に従うべきだ」と強調した。金総書記はこの言葉を聞いた後、憮然とした表情のままで、愛想笑い一つ見せなかった。さらに、同日夜の首脳会談に中朝経済協力業務を担当する張成沢氏を同席させなかった。

 胡錦涛主席も金正日総書記に対し、「双方の利益に見合う協力を進めるべきだ」と表明した。中国は、経済協力は一方通行の支援であるべきではなく、お互いのダブルウィン実現を目指すものであると強調、改革開放路線に転じるよう北朝鮮に求めた。(編集担当:松本夏穂)



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