千寿こう(せんじゅこう)は、濃厚なゴマ餡の中にオレンジピールがさわやかに香る焼き菓子。原作ファン感涙の味です

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「沖縄のお菓子」と聞いて、パッと浮かぶものはありますか?

千寿こうを再現した沖縄県の老舗菓子店「新垣菓子店」

おそらく一番に挙がるのは「ちんすこう」ではないでしょうか。ひと口サイズのクッキーのような焼き菓子で、最近では“紅芋”や“パイナップル”など色々なフレーバーのものが、手頃な価格で販売されています。

しかし、この一見カジュアルなお菓子は、かつて沖縄が「琉球」と呼ばれていた時代には、王族や貴族など限られた人にしか食べられないものだったのです。このような“琉球菓子”の文化は、中国と日本、双方の影響を受けながら、琉球独自の美意識の中で育まれました。当時は多種多様な琉球菓子が存在したと言われています。

しかしながら、琉球王国の解体や戦争などを経る中で、琉球菓子の大半は、そのレシピが失われてしまっています。

そんな中、“琉球王国最後の料理人”と言われる新垣親雲上淑規の意思と技を今に伝える、沖縄の老舗菓子店「新垣菓子店」が、口伝のレシピをもとに、ひとつの琉球菓子を再現しました。

その名も「千寿こう(せんじゅこう)」。

小説「テンペスト」の中で、主人公である真鶴の親友として登場する、由緒正しい名家のお嬢様にして琉球国王の側室、真美那がことあるごとに作る菓子として描かれています。

今回は「テンペスト体感沖縄ツアー」の、「官吏・寧温の夢コース」「真鶴の恋模様コース」「聞得大君(真牛)の碧眼コース」のいずれかに参加した人に向けた、先着限定の特典として提供され、本格的な販売はしばらく先になる模様。

舞台も始まり、今年最も目が離せない話題作「テンペスト」の世界観を“味わう”べく、この機に沖縄を訪れてみてはいかが?