8日にマルセイユの本拠地ヴェロドロームで行なわれるチャンピオンズリーグ(CL)グループFの最終戦、マルセイユ対チェルシー戦。この日の主役は試合前から決まっている。チェルシーのFW、ディディエ・ドログバだ。

 両チームともすでに決勝トーナメント進出を決めており、フランスでこの試合の話題は、勝敗を超えてドログバの“凱旋”で持ち切りといっても過言ではない。サッカー専門サイト「マクシフット」によると、かつての地元のヒーローを迎えるマルセイユはさながら“ドログバ祭り”といった熱狂ぶりを示しているという。

 ドログバがマルセイユでプレーしたのは2003-04年シーズンのわずか1年間だが、公式戦32ゴールをあげる驚異的な活躍でマルセイユ・サポーターに強烈な印象を残している。ドログバ本人もかねてからマルセイユを「心のクラブ」と公言しており、今回6年半ぶりにヴェロドロームに帰ってくる心境を「感慨で胸がいっぱい」と語った。

 ドログバはレキップ紙に「マルセイユでのシーズンは忘れることができない。世間に名前を知られるようになったのも、CLにデビューしたのも、チェルシーとモウリーニョ(当時監督)が僕に関心をもつきっかけになったのも、すべてここなんだ」と語り、その後に歩むスター街道の出発点となったことを十分に認識している。

 フランス随一の熱狂的なサポーターで埋まるヴェロドロームについては、これまでチェルシーのチームメイトにもたびたび話してきたというドログバ。「これでやっと仲間にヴェロドロームを知ってもらえるね。街の観光でチームの案内役をするのもいいけど(笑)、マルセイユという素晴らしいチームを相手に最高のゲームをするために来た」と語る。格上の強豪を迎えるマルセイユにとっては、ドログバの顔に“泥を塗る”ような試合はできないところだ。