16日のリーグ・アン第9節オセール対ボルドー戦で、ボルドーのアルー・ディアラが退場処分を受けた。直前にイエローカードを受けたことに反発し、主審を突き飛ばしたためだ。

 ディアラは試合後レキップ紙に「イエローカードをもらって反射的に動いてしまった。次の試合に(警告累積で)出場できなくなることがわかっていたからね。それで少し苛立ってしまった。でもすぐに審判に謝りに行ったよ」と語るなど、反省と後悔が感じられる。

 しかし反射的とはいえ、してしまったことは取り返しがつかない。審判に手を出した例としては、昨シーズンの5月15日、ユスフ・ハッジ(ナンシー)が主審を突き飛ばし、6ヶ月出場停止という重い処分を受けた。

 ハッジのケースはシーズン最終戦だったこともあり、影響を受けたのは10試合に満たなかった。しかし仮にディアラがいまから同じ6ヶ月の処分を受けるとなれば、出場停止は4月にまでおよぶ。ボルドーがその間、攻守の要であり、精神的な柱でもある主将を失うとしたら、影響はあまりに大きい。

 またフランス代表のブラン監督にとっても、長期にわたって実戦から遠ざかるディアラを招集しにくくなる。新主将として定着しつつあっただけに頭の痛いところだ。

 ただし、サッカー専門サイト「クロノフット」の取材に応じた元国際審判のジョエル・キニウ氏によれば、ハッジが審判に激しく詰め寄り暴言まで吐いた一方で、ディアラの行為は本人の主張通り「反射的であったことは誰の目にも明らか」。すぐにその場で謝罪したことから見ても、悪質ではない。

 態度の攻撃性がずっと明白だったハッジの処分も、本来11月7日までだったが、1ヶ月以上“刑期”が短縮され、9月25日には復帰している。しかしディアラも最低1ヶ月の出場停止は免れないというのが大方の見方だ。リーグ規律委員会の裁定が注目される。