W杯欧州予選グループ7のリトアニア対フランス戦が28日、リトアニアのカウナスで現地時間21時45分(フランス時間20時45分)にキックオフを迎える。フランス代表は27日昼にリトアニア入りし、最終調整を行なっている。

 これまで3試合を終えたフランスは、1試合多く消化しているセルビアとリトアニアに5ポイント差をつけられてグループ3位。4月1日のホームゲームと合わせてリトアニアから6ポイントを得ることが絶対の目標だ。

 しかしリトアニアは、フランスが引き分けたルーマニア、敗れたオーストリアに勝っている油断のならない相手。さらに前日付のレキップ紙は、この試合の敵は“別のところ”にもあると指摘している。

 リトアニアの主将ダニレビチウスによれば、「プレッシャーを抱えるのはフランス」。「われわれが負けても誰も驚かないが、フランスが負ければびっくりだろう」と余裕を見せる。

 連勝して当然というプレッシャーのほかに、気になるのはピッチのコンディションだ。ドメネク監督は「理想的とはいえない」と皮肉っぽく控えめに懸念を示したが、レキップ紙によるとカウナスのスタジアムの芝は「アマチュアの試合用」レベル。スコットランド代表のデイリーが2年前に「雨の中でオートレースをしているみたいだった」とコメントしたことを引き合いに出している。

 天候も不安材料。当日の気温は氷点下にこそならない見通しだが3℃と低く、加えて風雨をともなう荒れ模様が予想される。

 スタジアムの雰囲気がフランスにとって敵対的であることも気がかりだ。2007年にリトアニアで戦ったときには、観客席にフランスの三色に塗ったアフリカ大陸が描かれ「ようこそヨーロッパへ」と書かれた横断幕が掲げられたこともある。アフリカ移民の選手が多いフランス代表に対する人種差別的なメッセージとして物議をかもした。

 これらのマイナス要因をはねのけたとしても、4日後には自国の選手に冷たいことで知られるスタッド・ド・フランスでの試合が待っており、選手たちにのしかかる精神的な負担はかなりのものに違いない。

 26日の記者会見に臨んだ選手たちは「こうした逆境がモチベーションを高める」(アルー・ディアッラ)などと連勝への意気込みを固めてはいるが、その表情からは緊張がうかがえるのも確かだ。