毎週月曜日にスペイン・カタルーニャ系新聞“El Periodico”に記事を掲載しているクライフ氏。この中でO・リヨン残留を決断したベンゼマについて、「彼は正しい決断をしたと思う。昨シーズンも欧州のビッククラブからのオファーを断り、残留を決めた。お金よりも自分のクラブでの成長を選んだ」としている。

 多くの若い選手が注目を浴びるとすぐにビッククラブからのオファーを受け、最終的にはまだ成長段階だったにもかかわらず、過度のプレッシャーに押しつぶされ、選手生命を短くしてしまうというケースが多い中、クライフ氏はベンゼマの冷静な判断を褒め称えた。

 ベンゼマにはバルサが興味をしめしていた。CLベスト16でO・リヨンとの対戦が決まった際には、「カンプ・ノウでベンゼマのお披露目」とまでメディアでは騒がれた。ベンゼマはO・リヨンで欧州制覇や世界レベルの大会でタイトルを取れる可能性が低いことは承知しているはずだ。ただ、21歳の若さですぐにビッククラブに移籍する必要性などまったくない。クライフ氏が指摘したのは、その慎重な決断だったはずだ。

 フランスリーグでは敵なしのO・リヨンで“学び続ける”ことを選んだベンゼマ。ビッククラブ移籍を拒否したのではなく“延期”したと言って良いだろう。「良い道を選んだ」とクライフ氏が言うようにこれからもベンゼマのような若手が多く育ってくれると、サポーターも長く良い選手のプレーを楽しめるかもしれない。

(スペイン通信)