今シーズン3大会(リーガ、国王杯、CL)で優勝の可能性を残しているバルサ。昨シーズンとの違いは、ボールを奪われてからのプレッシャー、高い位置にディフェンスラインを保ち中盤にスペースを与えない、エトー、アンリ、メッシの復活などプレー面で改善されている部分はあるが、グアルディオラ監督はこういった戦術面以外にも変化をもたらしている。

 その一つが、アウェイの試合でホテルに前泊するのではなく、試合当日に敵地へ移動することだ。これがバルサ好調の直接のきっかけになっているかどうかは別として、グアルディオラ監督は、選手としてトップレベルでプレーした経験からホテル滞在が選手にどのくらい影響するか熟知している。アウェイで前泊することで試合への集中が欠けてしまうことを避けるための策と言える。

 スペインフットボール連盟(FEF)は、アウェイの試合時は当地に前泊するという規定は設けておらず試合当日の現地入りはもちろんルール違反ではない。以前は日曜日のキックオフ時間が17時だったことから、多くのチームがアウェイゲームで前泊していたが、今はテレビ放映の関係上、21時というキックオフ時間がある。この時間帯だったら当日移動も十分可能というわけだ。

 ただし、一つ注意しなければいけないのが試合時間に遅れてしまうことだ。FEFは試合時間にチームが現れなかった場合、不戦勝として相手チームが3−0で勝ったものとみなすとしている。第27節対アルメリア戦も当日移動を行うバルサ。アルメリア入り予定時刻は12時20分でキックオフ約9時間前(日曜日21時キックオフ)なので心配はなさそうだが、飛行機の遅れに関してはコントロールがきかない。それでも当日移動を好むグアルディオラ監督。こういった細かい配慮もバルサ好調の一部を成している。

(スペイン通信)