リヨンがチャンピオンズリーグ(CL)決勝トーナメント1回戦で敗退し、フランス勢にとってはUEFA杯を残すのみとなった。12日に行なわれたUEFA杯決勝トーナメント2回戦は、ファーストレグでマルセイユが勝利、パリ・サンジェルマン(PSG)が引き分け、サンテティエンヌが敗北というスタートになっている。

 フランスの王者リヨンが3シーズンつづけてベスト8入りを逃し、リヨンのオラス会長が「構造的問題」に言及するなど、フランスサッカーのあり方が問われているが、ここへ来てもっと具体的な問題が浮上している。UEFAの国別ランキングで現在5位のフランスが、6位のロシアに肉迫されていることだ。

 UEFAの国別ランキングは代表チームのランキングとは別物で、欧州カップにおける各国クラブの成績を統計で出したもの。勝利や予選突破に応じてポイントが加算され、各国の出場チーム数で割って算出される。

 過去5年間の累計でランキングが出されるが、3月12日の最新統計では、イングランド(76.943ポイント)がトップ、2位にスペイン(73.016)、以下イタリア(62.660)、ドイツ(54.445)、フランス(49.168)、ロシア(47.125)、オランダ、ルーマニア、ウクライナ、ポルトガルとつづく。フランスは過去3年間不振で、とくに2008年に限ると、スコットランドやポルトガル、トルコ、ギリシャの後塵を拝し、10位に甘んじた。

 仮にフランスが今年6位に転落すると、2010-11年CLグループリーグへの出場権が現在の2枠(国内リーグの上位2チーム)から1枠に減らされ、リーグ2位と3位のチームは、予選からスタートしなければならなくなる。

 UEFA杯で残っているフランス勢3チームが勝ち進むことが、大きな重要性を帯びている。2―1でアヤックス(オランダ)に先勝したマルセイユは18日に、スコアレスでブラガ(ポルトガル)と分けたPSG、ブレーメン(ドイツ)に敵地で敗れたサンテティエンヌは19日に2回戦セカンドレグを迎える。