チャンピオンズリーグ決勝トーナメント1回戦バルセロナ対リヨンのセカンドレグ(ファーストレグはリヨンのホームで1―1)が11日20時45分(日本時間12日午前4時45分)にキックオフを迎える。

 前日朝のレキップ紙は、リヨンの主将ジュニーニョがバルセロナ入りした写真を一面に掲げ、フランス中のサッカーファンが固唾をのんで見守る一戦への期待を盛り上げている。

 ただし、目下「欧州最強」の一角を占めるバルセロナが相手となるアウェーマッチ、楽観的な予測はフランスでもほぼ皆無といっていい。とくにリヨンは先月24日のファーストレグ以後の3試合で、2敗1引き分けと不安な戦いぶりをしているだけになおさらだ。

 この3試合は、主力の温存という計算もあるにはあったが、GKロリス、DFブームソン、FWベンゼマという中心選手をケガで欠き、十分な戦力で臨めなかったのが実情。3人ともバルセロナ入りした20人のメンバーに含まれているが、ベストの状態とはいえない。シーズン序盤から長期離脱を強いられたDFクレール、ボドメール(MFでの起用も可)が戦列に復帰したものの、まだ本調子に戻るには時間が足りない。

 一方のバルセロナにも不安材料がないわけではない。主将のプジョールをケガで欠き、エースのエトーが4試合無得点、また守護神ビクトル・バルデスもプレスに叩かれたうえ、控えGKのピントが4日のマジョルカ戦に出場して活躍するなど、高まるプレッシャーに苦しんでいる。
 
 そんな中、昨季まで12シーズンにわたりリヨンに在籍し、現在はリーガ・エスパニョーラ(アトレティコ・マドリー在籍)で今季のバルセロナを間近で見ているGKグレゴリー・クペは、リヨンの潜在力を信じる数少ないひとりだ。レキップ紙によると、クペは「リヨンがジュニーニョのフリーキックで追いつき2―2の引き分け」と大胆な予想をしている。また自身に代わってリヨンの守護神となった若手ロリスが「大仕事をする」と見込んでいる。アウェーで2ゴールの引き分けならば、リヨンがバルサを退けて8強入りという筋書きになる。

 レキップ紙解説員のアンヘル・マルコス氏(元アルゼンチン代表)は、リヨンに勝機があるとしたら、ファーストレグ前半のようなプレーをすることが不可欠と見ている。高い位置でプレスを仕掛けてボールを奪い、早いパス回しで相手を走らせることなしに活路は見出せないという分析だ。