1日のリーグ・アン第26節でパリ・サンジェルマン(PSG)がナンシーを相手に4―1と圧勝、2位の座を守るとともに、レンヌと引き分けた首位リヨンに4ポイント差まで迫っている。

 PSGの4得点のうち2ゴールをあげたのがギョーム・オアロ。今季の得点を15ゴールに伸ばし、トップのジニャック(トゥールーズ)に並んだ。世界が注目するベンゼマ(リヨン)に3点差をつけている。

 翌日のレキップ紙は「オアロ現象」と見出しをつけ、今季のPSG躍進を牽引するオアロの存在を特筆している。オアロは昨季ル・アーブルでリーグ・ドゥ(2部)得点王に輝いた192センチの長身ストライカー。5日で25歳になる。

 チームメイトのシルバン・アルマンも、「彼の活躍には毎回驚かされる。彼のいいところは、決して考えすぎないこと。いつも平常心を保っている。何よりすごいのは、パウレタの後釜に座ってちゃんと成功していることだ」と舌を巻く。数シーズンにわたりPSGの柱として活躍したパウレタ(元ポルトガル代表)の背番号9を引き継ぎ、そのプレッシャーをものともしない精神的なタフさが並外れているという分析だ。

 またオアロに近い人物は、「彼の強さは、自分に厳しいところ。得たチャンスをすべてゴールに結びつけないと満足しない」と指摘する。2ゴールをあげた先日のUEFA杯ウォルフスブルク戦のあとも、ゴールを喜ぶよりはミスで追加点を逸した悔しさで頭がいっぱいだったという。つねにもう1点と貪欲にゴールを狙う姿勢が、今季リーグ・アンで2発を決めた試合が4試合にのぼるという結果を生んでいる。

 ゴールの内訳も頭で5点、左足で4点、右足で6点とバランスがよく、ダビッド・トレゼゲ(ユベントス)を彷彿とさせるという評価もある。フランス代表のドメネク監督からも注目されており、代表デビューも近いと囁かれている。