イタリア半島最南端カラブリア州に拠点を持つレッジーナの快進撃が止まらない。カルチョ・スキャンダルの影響で「−15p(仲裁判決により−11pに軽減)」のペナルティを背負い、身動きが取れないまま夏期移籍市場を過ごしたレッジーナ。開幕を前にマッツァーリ監督(45)自ら「今季は終わった・・・。さようならセリエA」と終戦宣言をしていたB降格大本命が、第23節を終了して8勝8敗6分(第22節は4月18日に延期)と大健闘、勝ち点を「19」に伸ばし念願のA残留圏内となる16位に浮上した。

11日の第23節、古豪トリノを相手に1−2アウェイ勝利を飾ったレッジーナはセリエB降格ゾーン(下位3チーム)から脱出。若き主砲ビアンキ(24)の2得点大活躍勝利を知将マッツァーリは「攻撃陣が素晴らしい。重いペナルティからよくここまで辿り着いた」と感慨深げに振り返った。今季12得点目をマークしたビアンキは“得点王”首位トッティ(14得点)に次ぐ2位に躍進、名実共にチームの顔となった。

優勝、欧州CL出場権獲得(4位以内)、UEFA杯出場権獲得(5、6位)争いを展開する上位陣。一方、プロビンチャ(地方・弱小)クラブの第一目標は常に“A残留”。“B降格大本命”の存在が消失した今、過酷なセリエA残留争いは最後の最後まで予断を許さない状況に陥った。

佐藤 貴洋