3失点で完投した育徳館の先発の島

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 ◆九州地区高校野球準々決勝 柳ケ浦3―0育徳館(28日・別大興産スタジアム)

 九州大会初出場の育徳館(福岡)の快進撃が止まった。エース島汰唯也(だいや)が1回に2失点。2回以降は走者を出しても粘り強く抑え味方の反撃を待ったが、6回に自らの失策でダメ押しとなる3点目を奪われた。「監督からは『立ち上がりが悪いから全力で行け』と言われていたんですけど。1回の2点と僕のエラーで負けて悔しい」と島は悔しさを隠せなかった。

 ここまで伸び伸びとしたプレーで福岡大会から甲子園常連校を撃破してきたが、この日は4失策。無失策だった柳ケ浦と守備力の差が出た。打線も終盤の粘りを見せることなく2安打で完封された。攻守で力を出せず「やっぱり緊張していたんだと思います。走者が出れば仕掛けようと思ったけど出なかった。1回にいきなりやられて、いつもの負けパターンになってしまった」と井生広大監督は振り返った。

 1758年に開設された藩校を源流とする福岡県最古の歴史を持つ県立の伝統校は、初の九州大会8強で来春の選抜大会の21世紀枠候補となる可能性も残される。「21世紀枠については分からない。自力で選抜大会出場を決めたかった」と井生監督は悔やんだ。

 小学生時代から通じて初の九州大会を経験したエース島は「やっぱり立ち上がりが課題。全体的に自分の球はまだ通用しないということが分かったので、強豪を抑えられるように冬(の練習)は頑張りたい」とレベルアップを誓った。