米ニューヨークにある複合アリーナ施設「マジソン・スクエア・ガーデン」で開かれた選挙集会で演説を行うトランプ前大統領=27日/Michael M. Santiago/Getty Images

(CNN)米大統領選の共和党候補、トランプ前大統領は27日、投票日を目前に控えるなか、米ニューヨークにある複合アリーナ施設「マジソン・スクエア・ガーデン」で選挙集会を開催し、再選へ向けて、移民への恐怖に訴えかけた。トランプ氏は改めて、大統領就任初日に「移民の侵略」を反転させるため大規模な追放プログラムを実施すると打ち出した。

民主党は、トランプ政権時に大統領首席補佐官を務めたジョン・ケリー氏の発言を基にトランプ氏を「ファシスト」や権威主義者と呼んでいる。トランプ氏の側近がトランプ氏を擁護するなか、トランプ氏は、大統領選で民主党候補のハリス副大統領を破れば、現代史上最も過激な大統領となることを予感させる演説を行った。

今回の大規模集会は、2020年大統領選の選挙結果を覆そうとした過去を経て、米国政治史の中でも特に劇的な返り咲きを達成しようとするトランプ氏の最後のステージの始まりとして宣伝された。トランプ氏の演説の前には、大物の支援者の一部が人種に基づく下品な発言を行った。議員候補だった人物はハリス氏について「反キリスト」であり「悪魔」と形容した。そのほか、クリントン元国務長官や「違法」な人々、ホームレスを批判する人もいた。元コメディアンのトニー・ヒンチクリフ氏は、プエルトリコを「ごみの浮島」と呼んだ。

トランプ陣営は、ヒンチクリフ氏の「冗談」について、トランプ氏やトランプ陣営の考え方を反映したものではないと説明した。

トランプ氏の発言の多くは虚偽と誇張に満ちていた。こうした種類の言説について、ハリス陣営は、穏健派の有権者や不満を抱いている共和党員に対し、ハリス氏への投票を促す可能性があるとみている。一方で、そうしたトランプ氏の発言は、基礎票を押し上げ、普段は投票しないがトランプ氏の強硬な政策に賛同する有権者を活気づけることができるかもしれないという賭けでもある。