巨人「CS敗退」を暗示していた原辰徳「祝福メッセージ」に阿部采配への「嫌味と皮肉」が…

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〈阿部慎之助監督、改めてペナントレース優勝おめでとう。前監督としてこれ以上の喜びはない。勝負の世界は、理想や過程を求めることも大切だが、何より結果を残すことがとても重要になる〉

 これは巨人の前監督で現在はオーナー付特別顧問の原辰徳氏が10月2日、阿部慎之助監督に送った「優勝祝福コメント」である。リーグ優勝を成し遂げた阿部監督の手腕を称え、「スポーツ報知」に長文を寄稿したのだ。

 巨人がDeNAとのクライマックスシリーズ(CS)で敗れ、日本シリーズ進出を逃した今、この特別寄稿の中身が巨人ファンの間で再度、クローズアップされている。いったいなぜかといえば、CSでの阿部采配に、原氏が事前に「釘を刺していた」かのようなくだりが見られるからだ。

〈私も昨季までヘッドコーチとしてそばにいさせて、変なことは教えていないという自負も持っている。慎之助が今年、「あぁ、あの時言われていたことは、このことだったんだな」と思い出すことが一つでもあれば、この上ないことだよ〉

 そう前置きした上で、原氏は選手起用についてこう言及していた。

〈ベテランへの配慮、将来を考えた采配。時に厳しく、時に兄貴分でありと、非常に考えてやっていた〉

 しかしCSでの采配を踏まえて、SNSなどで見られる、これに対する巨人ファンの反応はというと、

〈ベテランへの配慮ねぇ。CSで2回も長野をスタメンで使うとは思わなかったわ〉

〈阿部監督お気に入りの立岡宗一郎34歳の唐突な起用〉

 原氏は監督時代に若手の育成に力を入れており、阿部監督が花を咲かせるはずだった。どうやら阿部監督があえて時計の針を戻したように、ファンは感じているようだ。

 原氏はさらに、CSの戦い方についても「進言」していた。

〈一発食らう前に先にかましてやろう―そんなアグレッシブさで暴れてほしい〉

 結果は周知の通りで、DeNAにいきなり3連敗を食らったのだが、

〈まさかCSでバント野球再開させるとはな。原さんも内心イラついてただろう〉

〈王と原に怒られてバント減ったのに、CS前に丸にバント練習させまくってたのにはドン引きした〉

 そんな論議を交わす巨人ファンには、阿部采配が非アグレッシブに映ったのである。

 表向き、阿部監督を持ち上げた原氏だったが、最後まで変わらぬバント野球や、たび重なるベテラン起用に、そもそも思うところがあったのではないか――。そう考えると「思い切った選手起用」「ベテランへの配慮」「将来を考えた采配」といった言葉の裏には今となっては、かなりの嫌みや皮肉が込められていたようにも感じられるのだ。

 もともとスピーチ能力には定評のある原氏。そんな原氏を知っているだけに、ファンはその「偽ざる本心」を読み取ってしまったのかもしれない。

(ケン高田)