将棋の第14期女流王座戦五番勝負戦第1局が23日、東京・文京区「ホテル椿山荘東京」で指され、先手の福間香奈女流名人=清麗、女流王座、女流王位、倉敷藤花=が挑戦者の西山朋佳女流三冠に115手で勝利した。

 現在妊娠中の福間はおなかを蹴られているのか対局中、時折ぴくりと反応し、おなかをさすった。「力戦の将棋で一手一手難しい将棋だったのですが、かたさを生かして攻めることができたかなと思います」。終局後、一局を振り返る際も、おなかをさすりながら。体はわずかに横揺れしていた。

 相振り飛車となり、中盤以降は福間が優位を築く展開に。「指しやすさは感じていたのですが、具体的にはちょっとわからなかった」としつつ、リードを広げて快勝となった。

 出産予定は12月。今月15日に東京・渋谷で行う予定だった女流王将戦三番勝負第2局、19日に札幌市内行われる予定だった第4期白玲戦七番勝負第5局は体調不良のため不戦敗となっていた。出産のため11月17日から来年2月12日まで休場する予定になっている。

 女流王座戦第2局以降は産休明けの対局となる。「体調に気をつけて全力を尽くせるように頑張りたい」と福間。西山は「変わらずいつも通り指せるように準備して挑めたらと思います」と話した。

 同時に進行している福間と西山による白玲戦七番勝負第6局は26日、東京・台東区「浅草ビューホテル」で指される。