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 お笑いコンビ「ミルクボーイ」の内海崇(38)が、NHK連続テレビ小説「おむすび」(月〜金前8・00)から「角刈りブーム」の復活を狙う。22日から角刈りがトレードマークの小学校教師としてドラマに登場。「朝ドラから角刈りをまたはやらせたい」と意気込んでいる。

 ドラマは橋本環奈(25)演じる主人公のギャルが、栄養士となって人々を支えていく姿を描く。朝ドラ初出演の内海は、主人公の両親が働く理髪店に客として訪れる役どころだ。

 内海へのオファーのきっかけこそ、代名詞の角刈りだった。本格的な演技経験はないが、角刈りが印象的な役柄だったため白羽の矢が立った。「角刈りはM―1グランプリで役割を全部果たしたと思ったら、まだ朝ドラがあった。出演が発表された時は、M―1で優勝した時くらいLINEが来た」と驚きの抜てきとなった。

 役作りはとにかく髪を伸ばすことだった。普段の散髪のペースは10日に1回ほどだが、散髪シーンの撮影があるため、約1カ月間髪を切らずに臨んだ。そのためバラエティー番組では伸びた髪をいじられたが、情報解禁前のため誰にも言えなかった。「ここまで伸ばしたのは2020年のコロナ禍の自粛生活以来。ロン毛のようで気持ち悪い感覚だった」と当時を振り返った。

 角刈りは芸人としてくすぶっていた自分を立ち直らせた原点だ。16年ごろから芸への取り組みを見直す過程で、現在の髪形が定着。「サボっていた漫才を本当に頑張ろうと思った時に衣装を刷新した。その衣装に合う髪形が角刈りだった」。19年にはM―1で優勝。ブレークの起爆剤となっただけに「幸運を呼び込んできてくれる」と感謝の気持ちが強い。

 昨今、角刈りは衰退傾向だが、今作はアピールのチャンス。「昔はみんなやっていて、女性もかっこいいと思っていた時代がある。日本人のDNAに何か触れるものはあるはず」と熱く訴える。「おむすびは三角ですけど四角へ。いつかは角刈りがテーマの朝ドラに出演したい」と笑った。ドラマを通して視聴者と四角い縁を結んでいく。(前田 拓磨)

 ≪近畿3位「おっちゃん」の力作 理容店「プロムナード塚本店」小川さん≫角刈りは大阪の理容店「プロムナード塚本店」の小川清さんによる力作だ。内海が「おっちゃん」と慕う小川さんは、角刈りにした当初からの担当。角刈りの技術を競う大会で近畿3位になった実力の持ち主だ。朝ドラ出演も真っ先に報告しており、撮影前には制作陣が内海用のカットを学びに訪れた。こだわりは頭頂部から側頭部にかけて、あえて角を削らないこと。内海は「真っ四角にすることで大げさな感じが出る」と効果を語った。

 ◇内海 崇(うつみ・たかし)1985年(昭60)12月9日生まれ、兵庫県姫路市出身の38歳。07年に駒場孝とお笑いコンビ「ミルクボーイ」を結成。担当はツッコミ。大阪芸大落語研究会出身。22年上方漫才大賞大賞。血液型B。