体をほぐす栗原(撮影・穴井友梨)

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 ◆ソフトバンク全体練習(20日、みずほペイペイドーム)

 18日にクライマックシリーズ(CS)ファイナルステージを突破したソフトバンクは、26日から開幕する日本シリーズに向けてチーム練習を再開した。栗原陵矢は自ら志願して特守を行った。

 奈良原浩ヘッドコーチらにゴロ処理について教えを受け、何度も反復練習をこなした。全体練習が終わった後にも特守を行った。「自分の不安なところをなくして、シリーズに入っていけるように。取れるアウトとか、守りは100パーセントできることをやりたい」。その気持ちを強くしたのはCSの試合中に悔やまれるプレーがあったからだった。

 ファイナルステージ初戦、1点リードの3回1死二、三塁。矢澤宏太の打球は三塁方向への詰まった当たりとなり、打球を処理したサードの栗原は一塁へランニングスローしたが、ワンバウンドで判定はセーフとなった。矢澤は一塁に残り、続く松本剛の鋭い打球をセカンド川瀬晃のファインプレーで併殺打としたため、最少失点でしのいだ。

 「短期決戦は1個のミスで流れが変わる。ちゃんと打ち取った当たりを確実にアウトに取ることが大事」。1本の殊勲打を生み出す前に、まずは防げるミスをなくす。打撃では初戦のソロ本塁打以外、快音は聞かれなかったが、凡事徹底こそが4年ぶりの日本一に必要なことだと強調する。

 「短期決戦なんで、何か先を見据えてやれることもない。状態っていうか集中力でカバーじゃないですか」。日本シリーズに向けて隙をなくすべく、表情を引き締めた。(鬼塚淳乃介)