10月1日、ススキノ事件の第4回公判が行われた

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 昨年7月、札幌・ススキノのホテルで男性会社員(62=当時)を殺害し頭部を持ち去ったとして、田村瑠奈被告(30)ら親子3人が逮捕・起訴された事件。

【写真】事件前に瑠奈被告が通った怪談バーの店内。リアルすぎる生首オブジェや血しぶきのような跡で覆われるトイレなど

 10月1日に開かれた母・浩子被告(61)の第4回公判では、父・修被告(60)が録音していた瑠奈被告の「音声データ」が公開された。法廷には「I want to kill you」など、瑠奈被告が絶叫する声が響き渡った。

 この日、被告人側の証人尋問で修被告が主張したのは、“娘の犯行計画は知らなかった”という趣旨の内容だった。

 昨年5月、瑠奈被告と男性が出会い、その夜のうちにホテルで性行為に至った日。帰宅時に修被告と合流した瑠奈被告は「カラオケに行くと思ってたらホテルに連れて行かれ、俗に言う“お持ち帰り”された」「4〜5回やったが、最後の時、途中でゴムを外された」などと話していたという(以下、「 」内は修被告の証言によるもの)。

「最後、ゴムなしでされたことに関連して、(瑠奈被告は)妊娠したんじゃないか、性感染症に感染したんじゃないかと心配していました」という。後日、瑠奈被告と修被告は、男性を捜索した。夜中の3時にようやく男性を発見した瑠奈被告に、修被告は「謝ってもらうために来たんだから、謝ってもらうこと、そうでなければ、もう関わらないように」と告げて送り出した。

 男性のもとに向かって行った瑠奈被告について、修被告は「一緒に踊ったり話したり、特に揉めてる様子はなかった。その後戻ってきて『和解が成立したので次に会うことにした』と言っていました」と言う。

修被告は知っていたのか

 驚くのはその3日後、父娘が自宅で“SMプレイの練習”をしたという証言だ。

「正座して、手を後ろに回して、目を瞑って、これはまあ、手錠をかけられてアイマスクのつもりだと言われました。後ろから何か迫ってきて、頭や首の周りを触ったりする様子がありました。『どう?』と言うから、『何かぞくぞくするね〜』と、やりとりした」

 このような流れで、修被告は「男性と和解した娘が、次のSMプレイを楽しみにしていると思っていた」と主張している。しかし、検察側は、修被告が少なくとも事件の日の10日以上前から娘の犯行計画を知っていたとしている。

 修被告は、娘が“SMプレイを楽しむ”つもりだと思っていたのか、それとも“SMプレイを装って殺害する”ことを認識していたのか。今後の公判を注視したい。

◆取材・文/高橋ユキ(ノンフィクションライター)