14歳の少女が流された現場が…死者10人超の能登豪雨「本誌カメラマンが見た」目を疑う壮絶写真

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14歳の中学3年生の少女が海へ流されるなど、14人が犠牲となった(被害は10月7日現在、以下同)能登豪雨。9月21日の発生から3週間ほど経つが、いまだに2000戸以上が断水に悩まされるなど、完全復旧へのめどは立っていない。

本誌カメラマンは、倒壊した家屋や潰れた車が散乱する被災地を訪れた。そこで見た目を疑う現実とは――。

「もともと、ここらは田畑だったんです。しかし、あの日以来、風景は一変してしまいました」

肩を落として語る住民が住んでいるのは、被災した石川県輪島市久手川(ふてがわ)町だ。同町は海岸から歩いて数分の距離にあり、塚田川という河川が流れている。9月の豪雨で塚田川は氾濫。川沿いには、流された木々や破壊された泥まみれの車が無残な姿をさらしていた。下流へ進むと、激流に飲み込まれたのだろう完全に流された住宅の跡が……。福井沖で遺体が発見された、女子中学生が住んでいた家屋跡である――。

脚がズブズブと沈む

カメラマンが次に向かったのは、珠洲(すず)市の海岸線にある大谷地区だ。近隣住民が話す。

「この川は鯉のぼりの川渡しが有名なんです。すぐそのそばにある山が崩れるとは……」

住民の言う「この川」とは地区を流れる珠洲大谷川だ。川に氾濫した形跡はなかったが、東側にある山肌が大きくえぐれている。おそらく大規模な山崩れが起きたのだろう。周囲は大量の土砂に覆い尽くされ、家屋の多くは1階部分が完全に埋まっていた。

珠洲市仁江地区。’15年3月から9月に放送された、NHK連続テレビ小説『まれ』で塩田のロケが行われた町だ。ここも大谷地区同様、周辺が土砂で埋め尽くされ、歩くと脚がズブズブと沈み込む。

「ここから先へ進むのはムリだよ」

片づけ作業をしていた住民に声をかけられる。国道が寸断され、進むことができないのだそうだ。

消波ブロックや橋の柱にひっかかったままのガレキや流木、倒壊したままの家屋……。カメラマンが見たのは、壮絶な被災地の現実の数々だ。惨状からは、復旧に相当な時間が必要なことがわかった。