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 広島・常広羽也斗投手(23)が7日に開幕した「みやざきフェニックス・リーグ」でロッテとの初戦(天福)に先発し、6回4失点(自責2)の黒星で再出発した。8安打を浴びるなど、回の先頭打者に出塁を許した点を課題として自覚。新井貴浩監督(47)が最終戦後のあいさつで発した号令に呼応し、「変化の秋」を期した。 

 常広は改めて課題を痛感した。1―0の初回は先頭に許した二塁内野安打から1死満塁を招き、味方の失策で逆転された。1―2の2回も再び先頭の右前打で走者を背負い、適時打2本を浴びた。118球を投げて最速149キロを計測した一方、被安打8の6回4失点(自責2)で黒星がついた。

 「低めの出し入れは良かったが、シュート回転の球は弱いので、1軍では確実に長打になる。安打よりも(4回のような)先頭への四球は(その回の)入り方が難しくなるので、そこも自分の課題」

 楽天と2球団競合のドラフト1位で入団。春先のコンディション不良で出遅れ、9月15日のDeNA戦で迎えた待望の1軍デビューは5回1失点の初勝利で飾った。2度目だった同29日の中日戦は6回2失点。終盤に得た経験が来季への道しるべだった。

 1軍2試合で失点した3度のイニングは全て回の先頭打者に許した出塁が契機。今回の序盤2イニングも同じ形を繰り返し、「どんどんストライクゾーンに強い球、質の良い球を投げて、ボールゾーンにいったとしても打者が振ってしまうような球を投げたい」と球威向上を掲げた。

 本拠地で今季最終戦を終えた5日。新井監督は場内あいさつで「来シーズンはさまざまなことが変化する年になる。先のカープのことを考えると、変わっていかなければいけない」と覚悟を示した。次代のエース候補として重く受け止め、心技体全てで成長を誓った。

 「メンタル的な部分が一番強みでもあり、弱みでもある。今考えれば、甘いところがたくさんあった。課題を見つけて、正面から向き合って練習するのが大事になる。1軍の人たちは、誰かがこうするから、こうするとかではなくて、完全に個人で(課題をつぶして)やっているのでスゴい」

 秋の実戦では直球の質を上げ、投球の再現性を高めることを目的に置いた。「2試合1勝」の数字が1年後には、どれほど「変わる」か。プロ2年目への挑戦は既に始まった。 (長谷川 凡記)