秋田朝日放送

10月も止まらない値上げが動物園を直撃しています。人気スポットである秋田市大森山動物園でも燃料費の高騰やエサ代の値上がりなど厳しい状況が長く続いています。動物たちの命を守るため新たな試みがスタートしました。

2023年に開園50周年を迎えた大森山動物園は約90種500点の動物たちが暮らしています。

大森山動物園 三浦匡哉さん:「人が食べるものと同じものを与えているので、家庭で食費がかかるのと同じように動物園でも(食費が)かかっている」

1日に必要なエサの量はアフリカゾウだけで干し草40キロ、リンゴ5キロなど合計約60キロに上ります。パンや野菜など企業などから寄贈してもらっている一部のものを除き動物園が仕入れています。

エサ代として年間3000万円を予算化していますが、食料品や飼料などの価格が高くなり動物園の運営は厳しい状況です。様々な生息地の動物が暮らす動物園、これから迎える冬に向けての不安もあります。

大森山動物園 三浦匡哉さん:「アフリカゾウは寒さが得意ではないので冬の間はこのスペースが20℃を下回らないように暖房を使う」

アフリカゾウの部屋の面積は104平方メートル、高さ7.7メートル。この大きな部屋を暖めるため天井付近に遠赤外線のパネルヒーター、床に床暖房を整備しています。動物園全体の暖房費は年間で1500万円になります。

大森山動物園 三浦匡哉さん:「安定して動物園を運営していくためにはクラウドファンディングを活用することも必要ではないかと。動物園の動物をこれからも守って繋いでいくために皆さんの協力をお願いしたい」

大森山動物園は広く支援を募ろうと10月1日からふるさと納税を活用したクラウドファンディングをはじめました。目標額は500万円で12月末まで募集します。家族の憩いの場や子どもたちの学習の場にもなっている大森山動物園。動物の命を守り魅力ある展示をするため運営の安定化に向けた方法を模索し続けています。