この記事をまとめると

運転免許の取得方法には免許センター(試験場)で試験を受けるという方法もある

■「一発試験」だからといって合格してすぐに免許の交付を受けられるわけではない

■免許取得の費用を抑えられるが一発試験の難易度は高い

「一発」とはいいながらもクリアすべき関門は多い

 運転免許を取得する際に、多くの人は教習所(指定自動車教習所)に通い、技能教習と学科教習を受け、検定試験に合格し、卒業証明書を免許センターに持参して、学科試験を受けて運転免許の交付を受けるケースが多いのではないでしょうか。運転免許を取得する方法には、教習所(指定自動車教習所)に通うほかに、免許センター(試験場)で試験を受けるという方法もあります。そこで今回は、免許センターで試験を受験する「一発試験」について解説します。

免許センターでの一発試験とは?

 一発試験とは、免許センターに出向き、免許取得のための試験を直接受験する免許取得方法です。教習所に通う必要がないため、短時間かつ低コストで運転免許を取得することができます。ただし、短時間・低コストで運転免許を取得できるのは、あくまでも技能試験や学科試験が1回で済んだ場合です。不合格になってしまった場合は、日を改めて免許センターに出向いて試験にかかる費用(手数料や車両使用料など)を支払わなければなりません。

一発試験の流れと費用について

 一発試験で運転免許を取得しようとした場合、どのような流れで試験を受けるのでしょうか。ここでは、普通自動車第一種運転免許を取得する場合(保有免許なし)を想定して、免許取得までの流れや費用を解説します。

免許取得までの流れ

 まず、一発試験で普通自動車第一種運転免許を取得しようとした場合の流れを見ていきましょう。

 1)免許センターで受付
2)適性試験(免許センター)
3)仮免許学科試験(免許センター)
4)仮免許技能試験(免許センター)
5)仮免許の交付(免許センター)
6)技能試験までに5日以上路上で運転の練習(※)
7)本免許学科試験(免許センター)
8)技能試験(免許センター)
9)取得時講習と応急救護処置講習(指定自動車教習所
10)免許交付(免許センター)

※路上練習時の条件
・練習している自動車を運転できる第一種免許を受けている方(免許停止中の方は除く)で、第一種免許を受けている期間(免許停止期間を除く)が通算して3年以上の方
・練習している自動車を運転できる第二種免許を受けている方(免許停止中の方は除く)
・路上で練習する際は自動車の前面と後面の見やすい位置(地上40cm以上120cm以下の位置)に「仮免許練習中」標識を表示

 上記のような流れで免許を取得します。また、一覧からもわかるように、免許センターで行う試験、路上で行う練習、指定自動車教習所で受ける講習があります。

 そのため、一発試験といわれるものの、試験を受けて合格してすぐに免許の交付を受けられるわけではありません。

10回以内に合格できれば自動車教習所に通うよりもお得!?

一発試験で運転免許を取得する場合にかかる費用

 一発試験で運転免許を取得する際にかかる費用は次のとおりです。

■仮免許受験の場合:5500円(内訳:試験手数料2900円、交付手数料1150円、試験車使用料1450円)

■本免許受験の場合:5400円(内訳:試験手数料2550円、交付手数料2050円、試験車使用料800円)

■講習受講料(取得時講習+応急救護処置講習):1万5400円

 これらを合計すると2万6300円です。

 一方、教習所(指定自動車教習所)に通って運転免許を取得しようとした場合の費用の相場は30万〜40万円です。そのため、免許センターで試験を受けて運転免許を取得すれば、教習所に通って運転免許を取得する場合の10分の1以下の費用で取得することができます。

一発試験で合格するのは至難の業?!

 免許センターで運転免許にかかわる試験を受験して免許を取得する「一発試験」は、費用を抑えられることが特徴です。ただ、必要最低限のコストで試験に合格して免許の交付を受けるのは難しいでしょう。その理由は、一発試験は、安全に特化した運転技術、最新の法律に関する知識、法律に則った運転が求められているからです。

 また、過去に運転していた経験があったとしても、最初に免許を取得したときから法律が変わっていたり、免許センターという不慣れな環境で運転したりしなければならないため、合格するのは予想以上に難しいといえるでしょう。さらに、一発試験といわれるものの、何度も免許センターに通ったり、教習所で講習を受けたりしなければ免許の交付を受けられないため、思っている以上に手間がかかります。

 免許センターでの一発試験は腕試しとして受けてみるのはよいかもしれません。ただ、初めて運転免許を取得するのであれば、安全運転に関する知識や技能を段階的に教えてもらえる教習所のほうがよいといえるのではないでしょうか。