ひろゆき氏

写真拡大

無職の人々からの投稿を紹介するYouTubeコンテンツ「天下一無職会」から誕生した、ひろゆき氏とひげおやじ氏の共著『あたらしい生き方』(扶桑社)。
そのなかで、両名は稼ぎ方の変化について「マニュアルの時代」から「博打の時代」に変わってきていると語る。そんな話から導き出されたのは、“暇人のギャンブル”が、日本コンテンツが世界を席巻するためのリーサルウェポンとなる可能性。時代が時代なら億万長者のヒカキンも単なる無職のおっさんだった? 書籍から一部を抜粋・再編集し、対談形式でお届けする。

◆バカ当たりコンテンツは“暇人の博打”から

ひろゆき:無職で居続けることは苦痛。結局、人は承認欲求を満たしたくて社会で何かしら報われたいという気持ちになったりするから。別に一生働かなくてもいいくらい恵まれているのに働こうとする人もいるし。

ひげおやじ:たしかにいるね。でも、報われたいって気持ちはあるのかもな……。

ひろゆき:自分が何かしらの役割を社会の中で果たして、それが意味あることだと思われたいし、思いたい。それはコンビニのレジとかよりも、創作的なものとか会社的なところだったりするよね。

ひげおやじ:そうだね。もちろん、それで全ての人が成功するわけじゃない。ただ、たまにめちゃくちゃ成功する人もいるからね。

ひろゆき:こういうとき、必ずイギリスの作家J・K・ローリングの例を出すんだけど、彼女はお金のないシングルマザーだったの。学校の先生かなんかをやりながら小説を書き続けてたら『ハリー・ポッター』という小説になって、最終的に映画化までされて年間100億円とか稼いでいたりする。

ひげおやじ:産業としてみれば『ハリー・ポッター』関連で、総額2000〜3000億円ぐらいのビジネスになっているんじゃないの?

ひろゆき:うん、彼女個人でもたぶん1000億円ぐらいは得ていると思うし、ビジネスのほうでも法人が納税するから、イギリスとしては、たぶん1500億円ぐらい税金が入っている。

ひげおやじ:普通に教師として成功していたら、絶対にそんな納税できなかったから、イギリスとしてはありがたいよね。しかも、外貨を稼いでくれるわけだし。

◆マニュアルの時代から博打の時代へ

ひろゆき:コンテンツを制作してバカ当たりするみたいな青天井の仕事は、暇人がギャンブルをしないと当たらないよね。

ひげおやじ:必ずヒットする小説の書き方なんてないから、熱意のある人がやってみて、それが当たるか当たらないか。でも、よく考えたらゴッホだって同じだからね。生きているうちは全く当たっていないけど、ずっと絵を描いていたわけじゃん。

ひろゆき:弟が金持ちだから続けられた。『鬼滅の刃』の作者とかもそんな感じっぽい気がするんだよね。かなり臆測で妄想が入ってるけど、あの人は他の作品を作らないし、今後もあまり作らないようなことも言ってる。しかも人と全然会わない。その情報から判断すると、たぶん社会的に組織の中で働くとかが苦手なタイプだと思うんだよね。もちろん違うかもしれないけど。

ひげおやじ:アーティストには多いよね。そんな人が世界中でアホみたいな売り上げを叩き出す作品を生み出すという。

ひろゆき:やっぱり勤労をしていない人がダメというより、むしろ何らかのコンテンツ作りを頑張ってくれるんだったら、実家なり国なりが、いくらでもどうぞ、という環境を用意するほうがいいんじゃないかなと。

ひげおやじ:博打みたいな感じになっちゃう可能性もあるけどね。

ひろゆき:今は博打の時代なので。

ひげおやじ:頑張ったけど、結果が出ないパターンもあるわけで。むしろ、そっちのほうが多いと思うしね。