ちょいと飲んだ帰りに気に入りのお酒も買ってと、角打ちは楽しい!いわゆる酒屋ではなく、ジャンルに特化した専門店レベルの角打ちが、いま東京でぞくぞくと増殖中。これってかなり楽しくて、なんだか感性も刺激されまくるんです。もはやカルチャーの域に突入しているニュースタイルの角打ち、大注目です。

ちょいと飲んだ帰りに気に入りのお酒も買ってと、角打ちは楽しい!いわゆる酒屋ではなく、ジャンルに特化した専門店レベルの角打ちが、いま東京でぞくぞくと増殖中。これってかなり楽しくて、なんだか感性も刺激されまくるんです。もはやカルチャーの域に突入しているニュースタイルの角打ち、大注目です。

『スタンドうみねこSiB100』 @渋谷

フレンドリーな空間でめっちゃ自由なビールを

道玄坂から渋谷百軒店に入ってすぐ左手に、その店は突然現れる。1,2階を合わせた大きなガラス扉がオープン。外からはまるで劇場のステージのようにも見えるここは角打ちビアバー。大阪・西成に醸造所を持つ『ディレイラブリューワークス』が昨年8月にオープンさせた直営店だ。

中で飲みながら外にいるような開放感も抜群ながら、中身はさらにユニーク。まず1階には20個のタップが並ぶ。内15タップはほぼ毎週新作がリリースされるオリジナルなのだが、これが楽しい。

リストには“トロピカルなアロマが鼻腔にダイブ!”“きゅうりの一本漬けラガー”“まるで黒蜜毒林檎”なんてある。「うちにしかない個性的で可能性を秘めたクラフトビール。これめっちゃ好き!を見つけてほしい」と店長の大亀さん。

MATALEON(Cream IPA) 1300円(M)、REPLICANT HOP BASIC INSTINCT(Baked Dark Cider) 1300円(M)、GOLDEN SPLASH 娘娘黄金噴水(Energy Sour Ale) 1300円(M)

『スタンドうみねこSiB100』(左から順に)MATALEON(Cream IPA) 1300円(M)、REPLICANT HOP BASIC INSTINCT(Baked Dark Cider) 1300円(M)、GOLDEN SPLASH 娘娘黄金噴水(Energy Sour Ale) 1300円(M) プラカップはSMLサイズがあり、テイクアウトもOK。写真のようなリユースカップも選べる。個性が楽しいクラフトビールほかシードルもある

2階の冷蔵庫には缶が30種ほどあり購買可能。そのパッケージのイラストがカラフルでポップで、よく見るとビールごとにSF的なストーリーも書かれてたり。いやあ、めっちゃ楽し過ぎるやん!

『スタンドうみねこSiB100』

[住所]東京都渋谷区道玄坂2-16-2 ディレイラビルディング
[電話]03-6416-9211
[営業時間]17時〜23時、金〜日・祝・祝前日15時〜24時
[休日]無休
[交通]JR山手線ほか渋谷駅ハチ公口から徒歩7分

『SAKE COLLECTIVE & SPIRITS』 @丸の内

本格的なカクテルも楽しめる異色の角打ち

丸ビル地下1階「マルチカ」にある『SAKE COLLECTIVE & SPIRITS』は、都内最大級の蒸留酒が揃う『&SPIRITS』と、ロンドンで話題の日本酒専門店『SAKE COLLECTIVE』のコラボにより生まれたセレクトショップ。

豊富な取扱量もさることながら、特筆すべきは店内にあるバーカウンター。有料試飲できるほか、本格的なカクテルまで味わえる。

「買い物前に試飲セットで飲み比べをしたり、おすすめのペアリングの相談をお受けすることも。単純にバーとしてお酒を楽しまれる方も多いですよ」(チーフマネージャー 鈴木さん)。

東京マティーニ 1430円

『SAKE COLLECTIVE & SPIRITS』東京マティーニ 1430円 こだわりのジンとヴェルモットの苦みのバランスが絶妙。本格的なマティーニを気軽に味わえるのも魅力だ

カウンターではお酒に合うおつまみも味わえるほか、「マルチカ」内で購入した惣菜などの持ち込みもできるというから、なんとも寛大だ!場所柄、出張帰りに立ち寄る客も多いとか。

「新幹線の時間まで、と立ち寄られて、乗り遅れてしまう方もいらっしゃいます(笑)」(鈴木さん)。仕事終わり、この誘惑に抗うのは難しそうだ。

『SAKE COLLECTIVE & SPIRITS』夕方以降は特に、角打ち目的の来店客が増えるとか

[住所]東京都千代田区丸の内2-4-1 丸の内ビルディング地下1階B121区
[電話]03-6269-9555
[営業時間]11時〜23時、日・祝11時〜22時(カクテルの提供は基本16時半以降)
[休日]丸の内ビルディングの休館日に準ずる
[交通]JR山手線ほか東京駅丸の内口から徒歩5分(駅直結)

『きみどり』 @蔵前

試飲&量り売りでウイスキーの魅力の“香り”を満喫

ウイスキーに興味はあるが、バーであれこれ飲むにはちょっと財布が心配だし、少々敷居も高い。かといって、知らない銘柄をボトルでいきなり買うのもなぁ……。もしあなたがそんなふうに思っているとしたら、ぜひ足を運ぶべきはここだ。

「特に若い人たちは今ウイスキーに出合える機会が少ない。もっと門戸を広げたいなと思って」。高円寺でずっとバーを続けてきた森本隆介さんが、そう思い立ってオープンした店だからだ。

ここでは、ウイスキーを10mlから試飲でき、30mlから量り売りで購入ができる。店内にはウイスキーを中心に、森本さんが集めた蒸留酒のボトルが600種類ほど。自分ではなかなか買えない希少なものも多い。

MITOSAYA KINMOKUSEI 800円、BenRiach シングルカスク 1997蒸留 600円、厚岸 寒露2020 1300円(すべて試飲10ml)

『きみどり』(左から順に)MITOSAYA KINMOKUSEI 800円、BenRiach シングルカスク 1997蒸留 600円、厚岸 寒露2020 1300円(すべて試飲10ml) 試飲銘柄は自分で選んでも、森本さんに好みを伝えておすすめを選んでもらってもOK。取材時は3本。3つ並べて比べてみるのも楽しい!

「ボトルの裏側にはそのお酒の特徴的な香りが書いてあります。自分の好きな香りがいっぱいあるものを選んでいただければ」。

詳しくなくとも直感で選べばいい。試飲では蒸留酒の魅力“香り”をより楽しめる仕掛けもある。探りがいのある未知の世界へぜひ繰り出してみては。

『きみどり』試飲銘柄は自分で選んでも、森本さんに好みを伝えておすすめを選んでもらってもOK。取材時は3本。3つ並べて比べてみるのも楽しい!

[住所]東京都台東区浅草橋3-25-5 ペリエ浅草橋2階
[電話]03-5823-4237
[営業時間]14時〜21時
[休日]火
[交通]地下鉄都営浅草線蔵前駅A3出口から徒歩4分

『平和どぶろく 兜町醸造所』 @茅場町

ブルワリースタイルでどぶろくの魅力を存分に味わう

とろりとした飲み口にプチプチとした食感。今、にわかに注目を集めている「どぶろく」をカジュアルに味わえるのが『平和どぶろく兜町醸造所』だ。

「醸造所」の名の通り、ここで提供されるのは“できたて”のどぶろく。いわば、どぶろくのブルワリーだ。

「どぶろくは日本酒造りの工程で濾過をしていないお酒です。米の旨みや甘みが楽しめるのが特徴です」(醸造家 佐々木さん)。

兜町醸造どぶろく(すべて120ml) プレーン 850円、小豆 950円、黒ごま(本日の限定) 950円

『平和どぶろく 兜町醸造所』兜町醸造どぶろく(すべて120ml) (手前)プレーン 850円、(右奥)小豆 950円、(左奥)黒ごま(本日の限定) 950円 定番の「プレーン」「小豆」のほか、限定フレーバーも。限定は月2回くらいの割合で更新される

ここは清酒「紀土」で知られる和歌山の『平和酒造』が新業態として展開しているお店。「日本酒の魅力を幅広い世代に知っていただくのが目的です。お店でどぶろくを初めて飲んだ方も多いですね」(佐々木さん)。

日本酒よりも酒造りの自由度が高いのもポイントで、小豆や黒豆を組み合わせたもの、期間限定のものなど、バラエティ豊かなどぶろくが揃う。

これらはすべてこちらの店で醸造したもので、注文すると寸胴鍋から注いでくれるのもうれしい。おいしさと楽しさであれもこれもとついお代わりしたくなる。

『平和どぶろく 兜町醸造所』明るくナチュラルで居心地のいい店内。天井につたうライン状のライトは、酵母の動きを示しているのだそう

[住所]東京都中央区日本橋兜町8-5 KITOKI1階
[電話]03-6264-9457
[営業時間]13時〜22時半、土12時〜22時半、日・連休最終日12時〜21時 ※それぞれLOは物販・フード/営業終了30分前、ドリンク/営業終了15分前
[休日]無休
[交通]地下鉄東西線ほか茅場町駅11番出口から徒歩1分、都営浅草線ほか日本橋駅D4出口から徒歩6分

『PRIME SAKE Tokyo Haneda Airport(プライム サケ トウキョウ ハネダ エアポート)』 @羽田空港

空港で角打ち!スペシャリティな日本酒を味わえ

羽田空港第3ターミナル国際線出発ロビー。その一角にこの3月、角打ち付き日本酒一合缶専門店がオープンした。

一合缶。といっても、いわゆるワンカップとは違う。『PRIME SAKE』は、世界に日本酒とその文化を発信するために誕生した新しいブランド。その第一弾全11銘柄が揃っている。

おつな実山椒 880円、生ハムのような鰹節食べる削り節 550円、雨後の月ぐい呑み 1100円、雁木片口 1870円

『PRIME SAKE Tokyo Haneda Airport』(料理:手前)おつな実山椒 880円、(料理:奥)生ハムのような鰹節食べる削り節 550円、(ドリンク:左)雨後の月ぐい呑み 1100円、(ドリンク:右)雁木片口 1870円 国内からセレクトしたこだわりのおつまみとのペアリングも楽しみ

上質さを感じさせるパッケージの側面には、英字で酒蔵のストーリーも記載され、QRコードから蔵の風景が見られる映像にも飛べる。うーむ、斬新だ。

そして店内中央にあるカウンター。そこでその「スペシャリティ・ニホンシュ」の世界観をスタンディングで味わえるってわけだ。

提供は缶ではなく、鹿児島の陶芸作家、城戸雄介氏によるオリジナルの酒器。桜島の火山灰を使ったその風合いにも気分が上がる。

「生ハムのような鰹節」などつまみも上々。インバウンドならずとも、あなたの知っている日本酒のイメージも刷新されるかもしれない。世界に発信する以前に、この魅力、日本人が味わわない手はないな。

『PRIME SAKE Tokyo Haneda Airport』日本らしい素材を使いながらモダンな空間で、日本酒体験に没入できる

[住所]東京都大田区羽田空港2-6-5 京急空港線羽田空港第3ターミナル駅3階 国際線出発ロビー302区画
[電話]なし
[営業時間]8時〜22時
[休日]無休
[交通]京急空港線羽田空港第3ターミナル駅直結

撮影/鵜澤昭彦(スタンドうみねこSiB100、PRIME SAKE)、西崎進也(SAKE COLLECTIVE & SPIRITS、きみどり、兜町醸造所)、取材/池田一郎(スタンドうみねこSiB100、きみどり、PRIME SAKE)、田久晶子(SAKE COLLECTIVE & SPIRITS、兜町醸造所)

2024年6月号

※2024年6月号発売時点の情報です。

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