マニー・パッキャオ戦に向けての強い思いを語る鈴木千裕(撮影・堀内翔)

写真拡大

 「超RIZIN.3」(7月28日、さいたまスーパーアリーナ)

 RIZINスタンディングバウト特別ルール3分3ラウンド(68・0キロ契約)で対戦することが9日に発表された、プロボクシング世界6階級王者のマニー・パッキャオ(45)=フィリピン=とRIZINフェザー級王者の鈴木千裕(25)=クロスポイント吉祥寺=が10日、都内で、RIZINの榊原信行CEO(60)と記者会見を行った。

 鈴木は「やることは一つ、とにかく勝たなきゃダメじゃないですか。僕はKNOCK OUT(※鈴木はキックボクシングのKNOCK OUT−BLACKスーパーライト級王者でもある)とRIZINを背負っているので、絶対に勝ちます」と言い切った。

 パッキャオから1ランドKO宣言が出ると「ボクサーのパンチはパッキャオには当たらない。僕はMMAファイターのパンチを当てることができるんで。僕はパッキャオ選手にボクサーを学びますけど、パッキャオ選手にMMAを学ばせます」と、MMAならではのパンチが有効だと指摘。

 「気を抜く時間はないので、1ラウンドから3ラウンド、全部、1秒たりとも抜くことなく倒すことに専念します」と、鈴木もKOを宣言した。

 かつてRIZINに参戦したボクシングのレジェンド、フロイド・メイウェザー・ジュニアの対戦相手には、那須川天心、朝倉未来というRIZINを代表するスター選手が選ばれた。

 今回、パッキャオの相手に選ばれるまでに自身のステータスを上げてきたことには「倒すことができるのも挑戦することができるのも俺しかいないと思うので。俺は今RIZINの看板背負ってチャンピオンでいるし、KNOCK OUTのチャンピオンも背負ってるんで、プライドかけて負けてないんで」と自負。

 オファーを受けたのは4月29日の金原正徳戦に勝った直後で「答えは即答、1秒もかからないですよ。イエスやります。それ以外ないじゃないですか。断る理由がないんで」と振り返った。

 メイウェザー戦で朝倉未来が頭部にダメージを負った(既に復帰)ことに絡んで、フォロー態勢への質問が榊原氏に飛び、榊原氏が「千裕にもし、マニーにもし試合の結果によってダメージが残れば、そのダメージを抜く期間をおいて次の試合をしっかり組むと」と答えていると、鈴木は次のようにまくしたてた。

 「バラさん、俺負けないんで、そういう心配いらないっすよ。負ける体の質問やめてください。なんでやる前から負けたの、ダメージの話するんですか?俺命懸けて勝負するんですから。こういうやられたらどうする、負けたら(どうする)、俺が勝てると思ってないじゃないですか。たぶんここ全員思ってないですよ。だから俺、嫌いなんですよ。なんでやる前から負けること考えるんですか?俺勝つって言ってるんだから、だからそういう話しないでください」と、アントニオ猪木さんの「やる前から負けることを考えるバカがいるかよ」という名言のような表現で怒りをあらわにし、会見場の空気を凍り付かせる一幕もあった。

 キャリアにおけるこの一戦の意味については「これは普通にMMAの一つに過ぎないと思うので。MMAはレスリングもボクシングもキックも柔術も全部ができないと成り立たない競技であって。だから別に格闘技人生の一部にしか過ぎないので」とクールに回答。

 それでも「歴史を築いてきた選手とできるのは本当に光栄なことで、本当にリスペクトなくてはできない戦いなので、僕にとって人生の大きな挑戦でもありますし、自分を越えなきゃならない試練でもあるので」と、パッキャオに敬意を払うことも忘れなかった。