鈴木千裕(手前右)を見つめるマニー・パッキャオ(撮影・堀内翔)

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 「超RIZIN.3」(7月28日、さいたまスーパーアリーナ)

 RIZINスタンディングバウト特別ルール3分3ラウンド(68・0キロ契約)で対戦することが9日に発表された、プロボクシング世界6階級王者のマニー・パッキャオ(45)=フィリピン=とRIZINフェザー級王者の鈴木千裕(25)=クロスポイント吉祥寺=が10日、都内で、RIZINの榊原信行CEO(60)と記者会見を行った。

 1998年に一度だけ日本でボクシングの試合を行っているパッキャオは「その時は1ラウンドで終わらせた。今回もミッションとして同じことをやりたい。3ラウンドと設定されているが、それより早く終わらせるために全力でやりたい。これはエキシビションではない。しっかりしたファイトになる。お互いがKOを目指して戦う」と、1回KOを宣言した。

 鈴木に対しては「ボクシングというものはそんなに簡単に習得できるものではないと思います。ここにいる千裕がボクシングを経験したいと言っているようですが、7月28日は必ず彼がボクシングについて学ぶと思います。私が学ばせてあげます」と、ボクサーのプライドをあらわにした。

 鈴木の試合は「MMAの試合なので見たことがない」と打ち明けつつも「私はボクシングを知っています。ボクシングというのはパンチとフットワークが全てです。それさえ知っていれば相手のスタイルのことを知る必要はありません」と自信まんまん。

 68・0キロという契約体重については「149ポンドなので、普段の私の148ポンドより少し重いんですが、問題はないと思います。一度150ポンドでマルガリートと戦っているので、重い階級でやったことはあるので、問題はないと思います」と楽観視。ちなみに2010年のアントニオ・マルガリート戦では、判定勝ちでWBC世界スーパーウエルター級王座を獲得している。

 パッキャオは新たな挑戦を決めた理由を「自分に対してのチャレンジですね。ボクシングのリングでMMAの選手と勝負したいと思ったので受けました」と説明。「良いパフォーマンスをして日本のお客さんに楽しんでいただいて、榊原さんの方からまた呼んでもらえるといいなと願っています」と、継続参戦にも意欲を示した。

 試合に向けては「ボクシングルールに準じたものになると思いますので、通常の試合と同じような準備をしたい。3ラウンドのための準備じゃなくて12ラウンドのための、今まで通りの準備をしっかりしたい」と、抜かりなく調整していくとした。

 また、RIZINで那須川天心、朝倉未来とエキシビションマッチを行い、いずれもKO勝ちしているライバルのフロイド・メイウェザー・ジュニアについては「フロイドは対戦相手を選ぶので、私とは違います。私は選ばずに挑戦したい人間がいれば誰とでも戦うというスタンスなので、フロイドと一緒にするのは少し違うかなと思います」と皮肉っぽく語った。

 海外ではWBC暫定世界ウエルター級王者マリオ・バリオス(米国)戦に向けて交渉中と報じられた。

 パッキャオは「実際、それに関してはまだ交渉中なので。話はありますが、詳細はまだ詰めていないので、実現に向けてはもう少し時間がかかるんじゃないかなと思います」と交渉を認め、「やるのであれば、11月もしくは12月辺りに実現する可能性はあると思いますが、まだ交渉して詰めていく部分はたくさんあるので、今まだここでやると言うには遠いかなと思います」と、年内にも2021年以来のボクシングの公式戦を行う可能性があるとの見通しを示していた。