帰国した(左から)井上尚弥と大橋秀行会長

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 ボクシングの4団体統一世界スーパーバンタム級王者・井上尚弥(31)=大橋=と大橋秀行会長(59)が10日、羽田空港着のJAL便で滞在していた米ニューヨークから帰国し、会見した。井上は来年いっぱいスーパーバンタム級にとどまって4〜5試合を行うという見通しを示し、実現すれば2021年以来となる米国での試合にも意欲を示した。

 井上は6日(日本時間7日)に開催された全米ボクシング記者協会の表彰式で、年間最優秀選手であるシュガー・レイ・ロビンソン賞を贈呈された。翌7日はヤンキー・スタジアムで米大リーグのヤンキース−ドジャース戦を観戦。ドジャースの山本由伸投手(25)が7回無失点と好投したのを見届け、山本投手と初めて対面した。

 井上は「アメリカに来るにつれて知名度も伸してきているのは感じている。真面目な試合でいい結果を出してきたのが付いてきていると思う」と、本場での人気の高まりを実感したという。

 大橋氏も「(8日にボクシングの)試合も見に行ったけど、試合場に入って行った瞬間に大歓声が上がっていた。ホテルとか街を歩いていても、普通の中学生、高校生みたいなアメリカ人が写真撮ってくださいって来た姿を見て、少年が興奮していたのでビックリしました」と、ボクシングファンはもちろん、一般層への浸透を証言した。

 井上は「またアメリカでやりたいなって。評価とか、そういうものがちゃんとアメリカであるなら全然行きたいなと、そこはすごく考えてます」、大橋氏も「(大プロモーターの)ボブ・アラムも望んでるし、アメリカのファンもすごく望んでるのを強く強く感じたので、ありなんじゃないかなと思いましたね」と、2021年6月のマイケル・ダスマリナス戦以来となる米国での試合に意欲。大橋氏は、アラム氏以外のプロモーターからも話が「数件ありましたよね。アメリカのファンが待ち望んでると」と明かした。

 滞在中、WBAがXに、井上が3階級王者ホルヘ・リナレス氏との会話で、スーパーバンタム級は「あと1年」と話している画像を投稿。その真意について、井上は「そのくらいっていうニュアンスですけどね。あと1年あったら4〜5試合はできると思う。今年2試合と、来年いっぱい」と説明した。

 その上で「1年先っていう自分の体の見通しもついていないですし、再来年あたりには作れるんじゃないかなと、なんとなく、体の感覚的には」と、フェザー級に階級を上げる時期の見通しを説明していた。