UFC移籍を発表する朝倉海=代々木第一体育館

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 「RIZIN.47」(9日、国立代々木競技場第一体育館)

 全試合終了後、榊原信行CEOが大会を総括した。

 第5試合終了後、RIZINバンタム級王座を返上してのUFC参戦を正式に発表した朝倉海については「近々UFC側からビッグアナウンスがあると思いますんで。日本人選手がそういう形で求められていくのは久しぶりじゃないですかね。彼らもしっかり見てますから」と話した。

 ドル箱スターの一人である海を手放す決断をした理由については、次のように説明した。

 「昨年末が終わった後、いろんな話をする中でUFCに挑戦したいという話を伝えてもらって、そこからダナ(・ホワイト。UFC社長)に伝えて、調整が進んで。

 近視眼的に見れば防衛戦もせずにUFCにチャレンジするということ、RIZINのベルトを巻いたことがステップアップの材料になってUFCにたどり着くという流れに関しては、僕もスタッフも含めてじくじたる思いは正直ある。

 いずれにしても選手生命は短いから、今のUFCに請われて求められて行けるタイミングで気持ちよく送り出してあげたい親心みたいなものもあるし、ファンが理解してくれて支持してくれているのも分かるので。

 海が残していくベルトを賭けたバンタム級の戦いが繰り広げられて新たなドラマとかスター選手が出てくることを期待したいし、プロモーターとしてしがみつくこともしたくないので、決断に至りました。結果を出してまた戻って来られる日があると思います」

 RIZINでの活動に区切りをつける意向を示しているRIZINフライ級王者の堀口恭司に関しても「海だけ行かせて恭司だけ行かせないというわけにもいかないと思いますし」と、移籍を容認する姿勢を見せた。

 堀口に関しては、米ベラトールと契約している堀口がRIZINに出場しているという形とあって「ベラトールというより(ベラトールを傘下に収めた米)PFLとの交渉によってどうなるのか。RIZINフライ級王者でもあるので、継続していく環境ならRIZINにも並行して出していける状況にはある。ただUFCとなると全然話が変わると思うので、僕らもそのタイミングで話をしなきゃならないと思っています」と補足。

 「UFC側にはUFC側のマーケティング、考えがあってああしろこうしろと言えませんから、ぜひ堀口恭司をということになったら、僕らが止める状況にはないということです」とした。

 4月29日の前回大会で消極的な試合をして榊原氏に酷評された“ブラックパンサー”ベイノアはジョニー・ケースに判定勝ちしたが、榊原氏は「不合格です。もう一歩じゃないですか、負ける勇気を持って勝ちに行くなら最後、トドメをフィニッシュに向けて行ってほしかったな。フィニッシュできるチャンスがあったんじゃないかな」と厳しく指摘。

 その上で「でもケース相手にショートノーティスであそこまでやったことは一定の評価はしますが、今日の試合で満足してほしくない。(首の皮は)つながってはいますね」と、さらなる奮起を求めていた。