湘南乃海(左)を押し出しで破る大の里

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 小結大の里(二所ノ関)が湘南乃海(高田川)を下して3敗を守り、単独トップに立った。同じく3敗だった琴桜(佐渡ケ嶽)は阿炎(錣山)に敗れ、痛恨の4敗目を喫し、優勝争いから一歩後退した。

 幕内後半の審判長を務めた九重親方(元大関千代大海)は、大の里について「レベルが違う。寄せ付けない内容だった」と大絶賛。さらに「大きい体を器用に使いこなせるのは天性のもの。アマチュアからのキャリアがあって、プロ、大相撲の世界に入っても稽古の仕方が体になじんでいるんだろうなと。先場所の尊富士のようなイメージがある」と賛辞が止まらなかった。

 琴桜については「腰が高いかな。プレッシャーで棒立ちになってしまった」と敗因を挙げた。また「力負けした相撲はほぼないでしょ?メンタルの問題。大関2場所目で、琴桜にしこ名を変えてプレッシャーがある中でやっている。優勝を見据えることです。“優勝したい”ではなくて“優勝を十分できる”という状態で臨めれば」と話した。

 大の里が阿炎に敗れた場合は、決定戦にもつれ込むことになるが、九重親方は「それを想像する方が難しいぐらい、大の里の調子が良すぎる」と苦笑い。ただ阿炎の勝利に対する執念にも期待しているようで「人は阿炎をくせ者という。なにをしてくるか分からない。幕内優勝経験者ですから。身長では大の里と同じ目線で闘えますから」と語った。