白星を挙げた西勇は岡田監督と笑顔でハイタッチ(撮影・田中太一)

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 「広島1−2阪神」(23日、マツダスタジアム)

 セ・リーグ史上初の1万試合目を戦ったチームに通算4903勝目を届けた阪神・西勇輝投手。6回無失点の好投で今季2勝目を挙げた。デイリースポーツの担当記者がプロ通算120勝とした右腕の胸の内を明かす。

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 西勇はこの日でプロ通算1980イニングをこなした。「2000イニングは100イニングを20年やからね。今の時代、阪神のローテーションにいない。やめた人たちは『筋肉が乏しくなった』『スピードが出なくなった』と言うけど、それが訪れる年齢が36歳くらいと聞いて。そうなる前にまだローテーションで投げてるときに、どうするか」。球団では小山正明、村山実、江夏豊ら10人が達成した2000投球回が、プロ16年目のモチベーションのひとつになっている。

 昨夏から栄養士をつけて、食事のメニューを送ってチェックしてもらっている。ウエートトレーニングも強化し、体重は8キロアップした。「(このままでは)長く野球できひんと思ったから」という理由で選んだ変化が奏功。「自分が変化した年齢で伝えられるのは自分しかいない。これからローテーションを担う若い子に伝えていくのも自分の役目」と胸に刻み、残り20イニングに迫った金字塔を目指す。(デイリースポーツ・丸尾 匠)