地元・静岡で3回無失点と好投した高橋(撮影・伊藤笙子)

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 「ウエスタン、くふうハヤテ0−1阪神」(23日、草薙総合運動場野球場)

 阪神・高橋遥人投手がマウンドに上がると、大きな拍手と歓声が降り注いだ。「うれしかったです。楽しかった」。地元・静岡でプロ入り初登板。快投で温かい声援に応えた。

 初回は先頭を3球三振に仕留めると、三者凡退。最速146キロも計測したが、「ストレートは良くなかった」といい、二回はオール変化球で勝負した。味方の失策で無死一塁とするも、折下をカットボールで併殺打に。平湯はツーシームで空振り三振に斬った。

 三回は危なげなく3人で料理し、復帰後最長の3回を無安打無失点。「3イニング投げたら、ピッチングしてるなっていう感じは出た」。奪った四つの三振のうち三つは変化球で「どのタイミングでも投げられる感じだったので、変化球は良くなった」とうなずいた。

 この日は両親、きょうだい4人も応援に。常葉橘中・高時代の恩師・下山秀樹さん(55)も見守り、「楽しみにしてたんで。状態は良くなってるんじゃないかな。応援してもらえる方も非常に多いので、幸せな選手だなと。早く1軍で投げられるレベルまで来てほしい」と目尻を下げた。

 今後も徐々にイニング、球数を増やしていく見込み。3連戦では一番報道陣も多く、取材を終えるとすでに他の選手はバスに。「もう俺最後!?帰ります!」とダッシュしながらも、最後はしっかり下山さんと握手。家族、恩師、地元の人たちのエールを胸に、前に進んでいく。