1回、ハッチ(左)から先制適時打を放つ大山(撮影・立川洋一郎)

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 「広島1−2阪神」(23日、マツダスタジアム)

 一振りで試合の主導権を握った。先制のチャンスは逃さない。阪神・大山悠輔内野手が勝負強さを発揮し、2試合連続で先制点をもたらした。

 初回2死二塁。ハッチに追い込まれたが、食らいついた。内角寄り149キロの直球に反応。詰まりながらも、しぶとく右前に運んだ。その間に二走・中野が本塁に生還。「追い込まれていましたが、しっかり振り切ることができた」。納得の一打で流れを引き寄せた。

 勝機を高める主砲の打点。前日22日の同戦でも、初回に通算500打点目となる先制の左前適時打を放つなど、1安打2打点で勝利に貢献した。ここまで今季、打点を挙げた試合は11勝2敗1分けと高い勝率を誇る。

 「チャンスで打っていないんで。そこが全てだと思います。追加点を取るチャンスがいっぱいあったので。そこは反省するしかない。粘ってもらったチームメートに感謝しかない」

 前夜に続いて勝利に導く決勝打を放ったが、満足する気持ちは一切ない。悔しさをにじませるのは好機での凡退だ。1点リードの三回1死満塁は一飛。五回2死一、二塁では左飛に倒れるなど、1打席目以降の4打席全て得点圏で打席を迎えたが、生かすことができなかった。

 打撃の状態は徐々に上がってきている。主砲のバットで得点を奪い、チームの勢いを加速させる。