「ブルーモーメント」(フジテレビ公式HPより)

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 俳優・山下智久(39)が主演するドラマ「ブルーモーメント」(フジテレビ)が苦戦している。4月24日放送の初回の世帯視聴率は8・4%と、フジの水22時枠では初の8%超となる上々の滑り出しだったが、回を追う毎に数字は下がり、第4話では5・6%に……。(視聴率はビデオリサーチ調べ、関東地区)

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 山下が民放の連ドラで主演を務めるのは5年ぶり。つまり、2020年10月にジャニーズ事務所を退所してから初となる民放での連ドラ主演が「ブルーモーメント」だ。自然災害から人々の命を守るため災害現場で立ち向かうSDM(特別災害対策本部)の活躍を描いている。山下の役どころはSDMのチーフを務める気象研究官だ。

「ブルーモーメント」(フジテレビ公式HPより)

 これまでの視聴率を観てみよう(コア視聴率は13歳から49歳までの個人視聴)。

●第1話(4月24日) 世帯【8・6%】 個人【4・8%】 コア【2・9%】
●第2話(5月1日)  世帯【8・4%】 個人【4・8%】 コア【2・5%】
●第3話(5月8日)  世帯【6・9%】 個人【3・8%】 コア【2・1%】
●第4話(5月15日) 世帯【5・6%】 個人【3・2%】 コア【1・7%】

 民放プロデューサーは言う。

「第1話の高視聴率はもともと山下が持っている数字、さらに、これまで同じ水曜22時枠で競っていた日本テレビのドラマが土曜21時枠に移り、競争相手がいなくなったためと言われていました。ところが、回が進むごとに数字は下がり、直近の第4話でコア視聴率は1・7%にまで落ちてしまいました。この日の裏番組と比べると、『上田と女が吠える夜 2時間SP』(日テレ)のコア視聴率は4・0%、『水曜日のダウンタウン』(TBS)は3・4%とWスコア以下です。営業的に見ても厳しい数字です」

 なぜこんな事態になったのか。

「TOKYO MER」との類似

「『ブルーモーメント』を見ていて思い浮かぶのは、過去の大ヒットドラマです。まず思い当たるのは、21年7月期の鈴木亮平・主演の日曜劇場『TOKYO MER〜走る緊急救命室〜』(TBS)です。東京都知事(石田ゆり子)の肝入りで誕生した救命救急医療チーム・TOKYO MERが、車内で手術も行える緊急救命車両・ERカーで現場に急行するのがウリでした。一方の『ブルーモーメント』も、防災担当の内閣府特命担当大臣(舘ひろし)の命を受け結成されたSDMが、トランスフォームする対策本部車と共に現場に駆けつけて災害救助に当たります。ボーッと見ていたら、『TOKYO MER』じゃないの?と思うほどよく似ています。もっとも、『ブルーモーメント』のSDRは消防班や医療班、警察班なども加わる大所帯ですが、山下が演じる気象研究者が主人公なので自然災害に偏りがちで、バリエーションに欠けるようにも思えます。また、『TOKYO MER』は最後に工藤美桜が『死者は……ゼロです!』と言うことで陶酔感を与えてくれましたが、『ブルーモーメント』は何だかモヤっとした感じで終わる。『TOKYO MER』を超える要素がなかなか見つかりません」

 類似するもう1本は山下が主演した「コード・ブルー〜ドクターヘリ緊急救命〜」(フジ)だ。

「コード・ブルー」も彷彿

「シーズン3まで放送され、映画版も大ヒットしました。フジのドラマに山下が出演するのは『コード・ブルー』以来7年ぶりということで、“ブルー”を重ねたのかと穿ってみたくもなります。ただし、それはかえって裏目でしたね。『コード・ブルー』はヘリコプターが救命に飛び回っていましたが、『ブルーモーメント』はそれが対策本部車に置き換わっただけのようにも見えます。しかも、第2話では気象研究家の山下もヘリに乗り込み、まさに『コード・ブルー』を彷彿させました」

 他にも問題が……。

「『コード・ブルー』は同僚の女性スタッフが新垣結衣、戸田恵梨香、比嘉愛未と、それぞれが主演する連ドラが作れるほど豪華なキャスティングでした。一方、『ブルーモーメント』は、プライム帯の連ドラ初ヒロインとなる出口夏希に仁村紗和ですから少々小粒です。しかも、出口は興奮すると中国語でまくし立てるという設定ですが、なんだか違和感がありますね。中国生まれの彼女の得意分野に合わせたキャラなのでしょうが……」

「ブルーモーメント」は「TOKYO MER」と「コード・ブルー」を足して2で割ったようなドラマということだろうか。

「ついでに言いますと、今年1月期にNHKで放送された山下が主演の『正直不動産2』の残像が頭をよぎることもある。『ブルーモーメント』は自然災害を描くだけに強風のシーンがよく出てきます。『正直不動産』では風が吹くと本音を言ってしまう主人公だったので、強風シーンでつい本音を漏らしてしまうのではと心配になります」

 果たして「ブルーモーメント」は、悪天候から抜け出すことはできるのか。

「山下はSDRでもMERでもいいから救ってほしいと思っているかもしれません」

デイリー新潮編集部