6回、ベンチでニコニコの岡田監督(右)と平田ヘッドコーチ(撮影・中田匡峻)

写真拡大

 「阪神7−2ヤクルト」(19日、甲子園球場)

 節目の勝利を気にも留めていなかった。阪神監督として史上2人目となる通算500勝を達成した岡田彰布監督だが当の本人は全くの初耳だった。「全然知らなかった。(阪神)園芸の人間が『おめでとうございます』って言うから、何を言うとんのか分からへんかった。意味が分からへんかった『おめでとう』の」と周囲の笑いを誘った。

 打線組み替えがまたも的中した。近本を7試合ぶりに1番に戻し、相手先発の石川に対して3番から7番まで右打者を並べた。2点を追う二回。先頭の渡辺が遊ゴロ失策で出塁するとノイジーが左翼線二塁打で好機を広げ、梅野、木浪の連続犠飛で同点に追い付いた。

 四回は先頭のノイジーから3連打。才木の押し出し四球の後、打順が戻った近本が4点目となる適時打を放った。八回も木浪の2点適時二塁打などで加点。7得点中6得点を下位打線で挙げ「下位がつないでくれると、大量点というのを取ってくれる」とうなずいた。

 近本には試合前に打順変更を直接打診し、本人の意向を聞き入れていた。光る采配の陰に見え隠れする細やかな配慮にも「当たり前やん。誰も知らんやろうけど」と、当然とばかりに笑った。

 交流戦まで残り6試合は広島、巨人との上位対決となる。「いい形で交流戦に入れるように頑張りたい」と締めくくった。通算勝利数で歴代1位の藤本定義まであと14勝に迫った。「積み重ね」の先にある金字塔は、もう目の前だ。