【新宿タワマン殺人】和久井容疑者が「空白の1年間」で別の女性に行っていた「6件のストーカー行為」

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新宿区内のタワーマンション前で平澤俊乃さん(25)が首などを刺されて死亡した事件。逮捕された和久井学容疑者(51)は取り調べに対して容疑を大筋で認めた上で、「結婚を前提に(平澤さんに)金を渡した」などと答えているという。

「刺し傷が数十ヵ所に及んでいること、2本用意した果物ナイフのうち、1本は折れてしまうほどの力で使用されていたことなどからも、強い殺意が伺えます。二人の出会いは5〜6年ほど前とみられています。’21年冬に平澤さんが上野周辺にガールズバーやキャバクラを出店するにあたり、和久井容疑者は愛車やバイクを手放し、1000万円を渡した。さらに消費者金融にも700万円の借金があり、これも平澤さんへ渡すために借り入れたものとみられています」(捜査関係者)

和久井容疑者は’21年秋頃に、周囲に「平澤さんと結婚する予定だ」と語っていたという。同年12月に平澤さんがキャバクラをオープンした際には、祝いの花を贈っていた。

しかし、その後、両者の間には大きな溝ができた。和久井容疑者は次第に「金を渡したら冷たくされた」とぼやくことが多くなったという。’22年3月には店舗とトラブルになり出入り禁止に。さらに同年5月には、平澤さんの自宅前などで待ち伏せしたなどとして、ストーカー規制法に基づき書面警告を受け、逮捕もされている。

「その後はストーカー行為がなくなったとして、’23年7月に平澤さんとの話し合いのもと、警察は対応を打ち切っています。和久井容疑者はストーカー行為をしたことについて、取り調べに対して『お金を取り返すために行った』と供述しています。一方で平澤さんは過去にストーカー行為を相談した際に『店の料金の前払い金として受け取った』と説明していたそうです。両者の間に交際の事実はなかったとされ、警視庁は和久井容疑者が一方的な恋愛感情を募らせて犯行に及んだとみています」(同前)

ネット上での反応はさまざまだ。一部では「(和久井容疑者は)結婚詐欺の被害者なのではないか」といった同情的な声も上がっている。

しかし、和久井容疑者が「騙されたこと」が原因でストーカーになり、犯行に及んだとは言い切れない。そこには「空白の1年間」に起きていた“ある出来事”が関係している。

和久井容疑者はストーカー規制法に基づく禁止命令が出されて以降、’23年から今年にかけて、平澤さんへのストーカー行為を行っていないとみられている。しかし、その間の1年足らずの間に、別の女性にストーカー行為を行い、被害女性が警察へ相談していたということがわかった。

「’23年〜’24年にかけて、和久井容疑者のストーカー行為に関する相談が少なくとも6件、警察に寄せられているんです。平澤さんとは別の女性で、被害者は複数います。付きまとったり待ち伏せするというものではなく、手紙を何度も送るなどの迷惑行為だったようです。しつこいアプローチがあったのか、中には同一の女性が、2度にわたって警察に相談に訪れていた事案もあるそうです」(前出とは別の捜査関係者)

平澤さん以外にも行われていた和久井容疑者のストーカー行為。なぜ、被害者が警察に相談するほど追い詰められても、やめなかったのか。和久井容疑者の知人が語る。

「彼は5年ほど前に離婚しており、その後に出会ったのが平澤さんでした。寂しさを埋めてくれた部分もあるのでしょう。そんな彼女にも裏切られたことで、別の女性で寂しさを埋めようとしたのではないか」

今回の事件にはいまだ不透明な点が多いのは間違いない。しかし、現在世間に流れている「手練手管に長けた美女に、純粋な中年男性が騙されて、何もかも失ったかわいそうな事件」というイメージとは、様相が異なるのは間違いなさそうだ。