2023年、渋川市の障害者支援施設で入所者の男性に暴行して死亡させたとして傷害致死の罪に問われている元職員の61歳の男の初公判が9日、前橋地裁で開かれ男は起訴内容を認めました。

起訴状などによりますと沼田市の今井博之被告は2023年9月、勤務していた渋川市半田の障害者支援施設で、入所者の中山如樹さん当時59歳を両手で突き飛ばして転倒させ、頭を床に強くぶつけてけがを負わせ、その後、負傷が原因の脳ヘルニアにより死亡させたとして傷害致死の罪に問われています。

前橋地裁で開かれた初公判で、今井被告は「間違いありません」と起訴内容を認めました。検察側は冒頭陳述で、暴行は粗暴で危険なもので被害結果は重大だと指摘し、被害者である中山さんが施設の壁のインターホンに触れるなどしたところ壊そうとしたと思い込み暴行に至ったと説明、犯行動機についても身勝手だと述べました。

一方、弁護側は、起訴内容は争わないとしたうえで、中山さんが壁際に立ちインターホンのカバーが外れ配線がむき出しになっている状況に危ないと思い引き離そうとした。突き飛ばしたことについては「転倒させようと意図したものではなかった」と主張し、事件後被害者遺族に謝罪し、被害弁償金を払い反省しているなどとして情状酌量を求めました。

判決は5月24日に言い渡されます。