ChatGPTなどの開発で知られるOpenAIと、OpenAIとパートナーシップ関係を結ぶMicrosoftが2024年4月30日に、New York Daily NewsやChicago Tribuneなど8社の新聞社から著作権侵害に関する訴訟を起こされたことが明らかになりました。

8_Newspapers_OpenAI.pdf

(PDFファイル)https://fm.cnbc.com/applications/cnbc.com/resources/editorialfiles/2024/04/30/8_Newspapers_OpenAI.pdf

Newspaper publishers sue Microsoft, OpenAI over copyright infringement

https://www.cnbc.com/2024/04/30/eight-newspaper-publishers-sue-openai-over-copyright-infringement.html



今回OpenAIとMicrosoftに対する訴訟を提起したのはNew York Daily NewsやChicago Tribuneのほか、Orlando Sentinel、Sun Sentinel、The Mercury News、Denver Post、Orange County Register、Pioneer Pressです。これらの新聞社は全てヘッジファンドのAlden Global Capitalの傘下にあるという点で共通しています。

これらの新聞社は「OpenAIが新聞のテキストを含むデータセットを利用してGPT-2やGPT-3などの大規模言語モデルのトレーニングを実施した」「GPT-4ではユーザーのプロンプト次第で我々の記事をほぼ完全に出力できる」と主張しています。また、Microsoftに対しては「無断で新聞から情報をコピーしてBingの検索インデックスを作成し、Copilotで記事に関する回答を提示している一方で、本来記事に付けられていた広告を排除している」と指摘しました。

これらの主張を元に新聞社は「OpenAIとMicrosoftは何百万もの著作権で保護された記事を許可なく、無料でトレーニングに使用している」と主張し、ニューヨーク州南部地区連邦裁判所に訴訟を提起しました。



OpenAIの広報担当者は「私たちは報道機関の活動を阻害しないよう、製品とその設計プロセスに細心の注意を払っています。私たちは世界中の多くの報道機関と建設的なパートナーシップ関係の構築や対話を積極的に実施し、懸念事項についての議論や解決策の提示を行っています。ニュースパートナーとともに、ChatGPTのようなAIツールが出版社と読者の関係を深め、ニュース体験を向上させるような大きな可能性を秘めています」と語りました。

これまでOpenAIやMicrosoftは大手日刊紙のニューヨーク・タイムズに著作権侵害で訴えられています。

大手日刊紙のニューヨーク・タイムズがOpenAIとMicrosoftを著作権侵害で提訴 - GIGAZINE



また、OpenAIとMicrosoftは複数の作家からも訴えられているとともに、Raw Story、Alternet、The Interceptなどのニュースサイトからの著作権侵害に関する訴訟にも直面しています。

OpenAIがさまざまなニュースサイトから著作権侵害で訴えられまくっている - GIGAZINE