米国株式市場=S&P・ナスダック続落、金利の道筋見極め

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[ニューヨーク 16日 ロイター] - 米国株式市場はS&P総合500種とナスダック総合が3日続落。米国債利回りが上昇する中、方向感の出ない展開となった。米経済が堅調に推移する一方でインフレ圧力が根強く継続しており、市場では金利の道筋を見極めようとする動きが広がった。

パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長はこの日、インフレの2%回帰に向けた「一段の進展の欠如」を踏まえ、予想されていたよりも長期間、高水準の金利を維持する可能性に言及。米利下げ期待が後退したことで、米金融・債券市場では10年債利回りが5カ月ぶりの高水準を付けた。 

シエラ・ミューチュアル・ファンズのジェームズ・セント・オービン最高投資責任者(CIO)は、投資家が「二面的な材料の間でバランスを取ろうとしている。米経済成長率はかなり好調なもようだが、インフレと金利の動向がゆくゆくは株式市場にとって問題になる見通し」と指摘した。

S&P500とナスダック総合は先月付けた過去最高値からの下げ幅が4%近くに達した。

ダウ工業株30種は小反発。医療保険・医療サービス大手ユナイテッド・ヘルス・グループが発表した予想を上回る四半期決算が押し上げ材料となった。

S&P500の主要セクターでは不動産と公益事業の下げが目立った。

金融大手モルガン・スタンレーは2.5%上昇。この日発表した第1・四半期決算は利益が予想を上回った。投資銀行業務の回復と資産管理業務の伸びが寄与した。

バンク・オブ・アメリカは3.5%下落。第1・四半期決算は貸倒引当金の積み増しにより減益となった。

医薬品大手ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)は2.1%安で終了。第1・四半期の売上高が市場予想を下回った。

ニューヨーク証券取引所では値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を2.25対1の比率で上回った。ナスダックでも1.9対1で値下がり銘柄が多かった。

米取引所の合算出来高は114億8000万株。直近20営業日の平均は110億5000万株。

終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード

ダウ工業株30種 37798.97 +63.86 +0.17 37992.22 37992.22 37713.70

前営業日終値 37735.11

ナスダック総合 15865.25 -19.77 -0.12 15856.38 15965.79 15822.02

前営業日終値 15885.02

S&P総合500種 5051.41 -10.41 -0.21 5064.59 5079.84 5039.83

前営業日終値 5061.82

ダウ輸送株20種 15246.23 -142.11 -0.92

ダウ公共株15種 835.53 -13.23 -1.56

フィラデルフィア半導体 4720.53 +41.43 +0.89

VIX指数 18.40 -0.83 -4.32

S&P一般消費財 1416.78 -7.37 -0.52

S&P素材 559.27 -4.15 -0.74

S&P工業 1030.89 -2.03 -0.20

S&P主要消費財 780.01 +0.56 +0.07

S&P金融 658.92 -4.13 -0.62

S&P不動産 225.82 -3.51 -1.53

S&Pエネルギー 722.02 -6.32 -0.87

S&Pヘルスケア 1616.11 +0.35 +0.02

S&P通信サービス 284.78 -0.34 -0.12

S&P情報技術 3707.67 +8.33 +0.23

S&P公益事業 318.73 -4.38 -1.36

NYSE出来高 10.12億株

シカゴ日経先物6月限 ドル建て 38495 + 105 大阪比

シカゴ日経先物6月限 円建て 38465 + 75 大阪比