子育てがひと段落し、時間に余裕ができたら旅行に出かけるチャンス。ここでは、初めてひとり旅をする方に向けて、行き先のチョイスや現地での食事、ホテルでの過ごし方などのアイデアを紹介します。語るのは、50歳になる頃からひとり旅を始めたというESSEオンラインライターです。

“計画”の段階から旅は始まっている

筆者の子どもが20歳になった頃です。年上の友人から「子育てがひと段落して親の介護が始まる前、まだ体力もある今が自分のしたいことをするチャンスだよ」というアドバイスをもらい、48歳で初めてのひとり旅をすることにしました。そこからコロナ禍で旅行ができない時期もありましたが、通算20回ほどひとり旅をしています。

【写真】ガイドブックを眺めて、心惹かれた場所を旅先に

なんとなく行ってみたい場所はあっても、“ひとり旅”と意識すると「どこへ行ったらいいかわからない」という話をよく聞きます。そんなとき私は、“ひとり旅”ということはいったん忘れて、地図やガイドブック、街中においてある旅行会社のパンフレットなどを、行き先を絞らずひたすら見てみます。

地図やガイドブックを眺めているうちに、惹かれる景色や食べ物などをきっかけに「ここに行ってみたい」という気持ちが掘り起こされると思います。そのとき、これまでは家族が喜びそうな場所を優先してきたかもしれませんが、ひとり旅なので自分の“好き”という気持ちだけで選択するのです。

あれこれ思いを巡らせて、「やっぱり私にひとり旅は無理…」となってしまってもOK。その考えていた時間が楽しかったのなら、それも旅のひとつだと思っています。筆者は普段からこのような“妄想旅”も楽しんでいます。

目的がなくても、いつもと違う場所に身をおくだけで十分

ひとり旅に出て現地に到着したら、まずは観光案内所に立ち寄ることをおすすめします。案内所は駅のそばにあることが多く、たとえば「1時間あったらどこに行くのがおすすめですか?」と尋ねると、ルートなど丁寧に教えてくださるので予習いらず。スマホの地図アプリを使うのが苦手な方でも、わかりやすい地図をいただけるので安心だと思います。

また、目的なくぶらりと街を歩くのも面白い発見があります。その土地をイメージした街灯、郵便ポストなど、日常生活では気にも留めないものが目に飛び込んできます。

旅先なら、普段は必要に迫られて行くスーパーも、見慣れない食材やご当地メーカーの調味料などが売られていて、テーマパークのように楽しめます。旅行といっても難しく考える必要はなく、いつもと違う場所に身をおくだけで十分旅に浸れるのです。

ホテルの部屋でコンビニごはんを食べるだけで楽しめる

ひとり旅でハードルが高いことのひとつは、食事ではないでしょうか。普段はひとり外食が平気でも、旅先となるとなんだか寂しい気持ちになるのかもしれません。そこでおすすめしたいのが、ホテルの部屋でスーパーやコンビニで買ってきたごはんを食べることです。

コンビニにも、地域食材を使った食べ物、地ビール、お菓子などご当地限定商品がたくさんあります。栄養バランスを無視して好きなものだけを買って、ローカルのテレビ番組を観ながらひとり気楽にごはんを食べる…。このゆるりとした時間が、筆者にとって旅先での娯楽のひとつになっています。また、ご当地ファミレスやローカルチェーン店は比較的1人でも入りやすいと思うので、そこで食事をするのもおすすめです。

はじめてのひとり旅。行き慣れない場所が不安なら、いつも使っている路線の、ほんの少しだけその先へ。日帰り旅行でもいいと思います。たとえ数時間の旅でも、楽しい発見があり、新鮮な気持ちになれるはず。