キッチンとダイニングの扉をなくしてスムーズに。築35年のマンションリノベ事例
築35年のマンションを購入し、フルリノベーションした事例を紹介します。キッチンの位置はそのままに、リビングダイニングとの間の扉をなくして、半独立型に変更。家事動線がスムーズになりました。さらに背面の収納家具にも、さまざまな工夫が。住まいは建築家の松田奈緒子さんのお宅です。
扉をなくしダイニングへの動線もスムーズな間取りに
築約35年のマンションを全面リノベーションした松田さん。設備の制約上、キッチンの位置を大きく動かすことが難しかったため、独立していたキッチンの場所はそのままに。
その代わり、リビングダイニングとの間の扉をなくして、半独立のキッチンにすることに。扉をなくしたことで閉塞感が抑えられ、ダイニングへの動線もスムーズになりました。
以前、コーポラティブハウスで暮らしていたときには、インテリア性が高く、自分のこだわりをぎゅっと詰め込んだキッチンを造作したそう。
しかし、使い勝手が悪い部分が多々あったため、今回は機能性も重視して、クリナップのシステムキッチン「CENTRO」を選択。
既製品に見えないよう、壁面にタイルを貼ったり、取っ手を真ちゅう製のものに取り換えるなどの工夫を施しました。
この家のキッチンプラン
●DATA
松田さんの家
・所在地：東京都
・家族構成：夫45歳 妻43歳 長女7歳
・専有面積：87.3��
以前のキッチンで後悔した部分はすべて改善
「以前の造作キッチンは扉が開き戸だったんですが、奥のものが取りにくくて使いにくかったので、今回は引き出しをメインにしました。また、水栓もデザイン重視で選んだ結果、使い勝手がいまいちだったので、今回は見た目もよく利便性も備えているグースネックのものに。後悔した部分をすべて改善したので、このキッチンには大満足しています」
写真はグースネック水栓。ホースが伸びるので、シンクの掃除がしやすく気に入っています。
さらにキッチンを使いやすくしているのが、背面の収納家具です。松田さんが設計し、友人の家具ブランド「HARU WOOD WORKS」に制作を依頼。コンセントの位置や収納するものをあらかじめ決めてから設計したので、使い勝手が抜群だそう。
リビングダイニングで愛用している家具と同じナラ材にしたので、インテリア全体の調和もとれています。
キッチンには、アイアンの小窓を2か所に設置。半独立キッチンの閉塞感をやわらげる役割も。
食器棚の扉には見た目もおしゃれなラタンを取り入れて通気性も確保。
「普段は私がおもに料理をするので、キッチンはわが家で唯一、自分だけの特別な空間。使い勝手のいいキッチンや収納家具、好きな器に囲まれて愛着は増すばかりですね」
松田さんの得意料理＆お気に入りアイテム拝見
フライパンの中でたねを混ぜ、成形して焼いて、ソースもつくるという松田さん流のハンバーグは、家族の大好きなメニュー。
お皿に盛って、ポテトサラダを添えれば、ボリューム満点のランチが完成です。
母方の祖母から譲り受けたガラス製のコンポート皿。日々、季節のくだものをのせて愛用中。
無印良品のシリコーン調理スプーン。1本で炒める、混ぜる、盛りつけるができて便利です。
割れてしまった父方の祖母の器は、金継ぎをして復活。ますます愛着が増したそうです。
ラッセルホブスの電動ミル。手動と違い、料理中に片手で使えるのがお気に入りポイント。
クイジナートのクッキングブレンダーは、スムージーやポタージュスープづくりに大活躍！
●松田奈緒子さん
東京理科大学建築学科を卒業後、設計事務所や住宅メーカーなどを経てフリーランスに。昨年末からリフォーム中心の施工会社に管理建築士として所属。一級建築士のほか、インテリアコーディネーター、キッチンスペシャリストの資格も持つ
