ピクテ・ジャパン代表取締役社長の萩野琢英氏(写真:右)に、ウエルスアドバイザー代表取締役社長の朝倉智也(写真:左)がインタビューを行った。

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 今年スタートした新NISA「成長投資枠」の運用にふさわしいアクティブファンドを表彰する新しいアワード「新NISA成長投資枠WA優秀ファンド賞」が始まった。投資信託の第三者評価機関であるウエルスアドバイザーが1312本の対象ファンドの中から20本を選定し、2023年12月29日に第1回の受賞ファンドを発表した。「バランス型 部門」で優秀ファンド賞を受賞した「ピクテ・ゴールデン・リスクプレミアム・ファンド(愛称:ポラリス)」について、同ファンドを設定運用しているピクテ・ジャパン代表取締役社長の萩野琢英氏(写真:右)に、ウエルスアドバイザー代表取締役社長の朝倉智也(写真:左)がインタビューを行った。

朝倉 当ファンドはバランス型ファンドで安定した運用、また収益性を評価させていただきましたが、短期そして中期ともに、トータルリターン、シャープレシオともに類似ファンド分類にてトップクラスであり、また安定した資金流入と我々のレーティング評価でも最高位の五つ星のレーティングを継続しているということが挙げられます。改めて、このファンドの特徴について萩野社長からお話を伺えればと思います。

萩野氏 ピクテは富裕層向けのバランス型の資産運用を数々手がけており、かつ、様々な運用チームがあります。私は20年以上ピクテで働いてきておりますが、数々のポートフォリオを見ていく中で、特徴的なポートフォリオを運用している部門があるのを見てきており、そこは最低1億ドル以上、日本円にして150億円以上で運用している部門となります。そこのポートフォリオが普通のポートフォリオとは異なるのです。

 その影響を受けた商品が、実は当ファンドなのです。通常のバランス型というと、株と債券を組み合わせるのが一般的ですが、これは株と金をしっかり組み合わせ、それにもかかわらず安定したパフォーマンスを提供するという、従来にはあまりなかった商品だと思っています。その考えの源泉となったのが、ピクテの経験値です。

朝倉 我々の評価の対象として、同じ同種同等のファンドと比べてということを常にさせていただいておりますが、その中でもパフォーマンスが圧倒的に高いですね。先ほどバランスで株と金をミックスしたという話がありましたが、金を多く入れているのは非常に特徴的ですね。

萩野氏 そうですね、現在、全体の約4割金を入れて、株が約4割となっており、実はそれで組み合わせているのですが、この比率も変わります。アクティブに経済環境を踏まえて変えています。

朝倉 よくファンドラップや一般的なバランスファンドというと、金が入っている比率も高くはなく、元々入っていてもかなり少ないですから。それで4割入っているというのはなかなかありませんし、個人ではなかなかそういうポートフォリオは組めないですね。

萩野氏 そうですね。なかなか組めないと思います。要は、株と金は結構変動が大きいです。それをしっかり組み合わせることで安定化するのですが、片方は上がって片方は下がっていますから、上がったり下がったりすると、配分比率がガラリと変わるんです。配分比率を一定にすることがとても重要で、こちらを売却してこちらを購入するという作業を頻繁に行うことは、個人投資家の方ではまずできないと思います。

 また、リバランスを普通に行うと都度税金がかかってしまいます。それを一つの投資信託のポートフォリオ内で行うと、売買を行っても税金がかからないのです。それが非常に大きいと思います。それを長い時間でやっていくと、高いところで売却し、安いところで購入するという作業を続けるので、パフォーマンスが上がるというのが、この商品の一つの特徴です。