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 自国開催のユーロを残り100日を切り、迎えた大会前最後の代表戦期間を前にして、強豪国としてのメンツをかけ再建をはかるドイツ代表に、いくつかの注目すべきトピックが報じられた。まず1つ目は2014年W杯優勝戦士の復帰、レアル・マドリードのトニ・クロースが中盤へ、そしてGKではマヌエル・ノイアーが、同じく負傷により長期離脱し復調をみせるマーク=アンドレ・テル=シュテーゲンと共に復帰。さらに大会直前の代表戦期間で12人の入れ替え、6人が初代表招集という大鉈を振るうなど話題が続き、さらに代表離れが叫ばれ久しいドイツでアディダス社からは過去最高のアウェイキット売り上げも発表。背番号もフィールドプレーヤーのみではあるが発表されるなど、いよいよではあるが盛り上がりをみせつつある。

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16ヶ月ぶり復帰のノイアー離脱でGK争いはまた白紙

 ではGKの背番号はどうなるのか?それ以前にナーゲルスマン監督はノイアーについての発言を行なっており、まずは本来はナンバー1GKとしてみていること、そしてもう1つは主将についてはギュンドアンが引き続き担っていくということだったのだが、ただ前者の選択についてもノイアーはテル=シュテーゲンに譲る格好となってしまった。今回は内転筋の負傷のために16ヶ月ぶりに復帰した代表を早期離脱。このときのために復帰を目指してきたベテランGKにとっても余りに残念なタイミングではあるが、それでも「幸いにも我々にはもう1人の世界的GKがいる」と、鼻を挫かれた格好のナーゲルスマン監督はファンフォーラムにて前向きに宣言。

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新しい中盤の顔、19歳パブロヴィッチも病気で不在

 アントニオ・リュディガーも同様の意見を示しており、GKに加えて自身と「ブンデス最高のCB」ターによるコンビ、そしてレアルで同僚のクロースとギュンドアンといった経験豊富な軸の構築へと胸を張っている。そう、今回のもう1つの注目点は、ここにきての中盤の立て直しだ。これまで担ってきたゴレツカは選外となり、キミヒはディフェンダーとして登録。ただ背番号は6のままであり、起用法については引き続き見守っていくことにはなるとしても、19歳ボランチパブロヴィッチとクロースの代表復帰が決断された事実に代わりはなく、当初はクロースの招集に難色を示していたヘーネス監督もムシアラ、ヴィルツを加えた若い布陣に「クロースは適役かもしれない」と評した。ただその点でみても、パブロヴィッチがこちらは扁桃炎で不在となってしまったことは残念な部分ではあるが・・・。

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慢性的問題解消への一手のはずが・・・ベステも離脱

 もう1人、今回ドイツ代表からの離脱となったのが、ヤン=ニクラス・ベステである。わずか1年前にはブンデス2部でプレーしていたMFは、昇格組として奮闘をみせる1.FCハイデンハイムのクラブ史上初となるドイツ代表選手として招集を受ける栄誉を勝ち取ったものの、しかしながら水曜日の練習中に内転筋を負傷。すでに合宿先を後にしている。もともとはMFながら左サイドバックとしてもプレー可能で、加えてなんといっても魅力はそのセットプレー。ドイツ代表でも課題となっているそれを武器に、昇格組のMFとして17スコアポイントを獲得していることは「まさに特筆すべき活躍」(ナーゲルスマン監督)であり、またゴセンスの招集を見送るなど左サイドバックはドイツ代表にとってのアキレス腱であり続けていることからも、ベステにかかる期待値は決して小さなものではなかったのだが、パブロヴィッチと共に初招集も離脱となってしまった。

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