赤ちゃんを抱く女性(2008年9月23日撮影、資料写真)。(c)PETER PARKS / AFP FILES / AFP

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【AFP=時事】今世紀末までに、ほぼすべての国や地域において人口が減少するとした研究結果が20日、発表された。米研究所の論文が英医学誌ランセット(The Lancet)に掲載された。

 米ワシントン大学保健指標評価研究所(IHME)の国際研究チームは、現状において既に約半分の国が、人口を維持するための出生率に達していないと指摘した。

 さらに、2050年までに約4分の3の国や地域で人口が減少に転じ、また今世紀末までにはこれが97%(198/204)にまで拡大するとしている。

 サモア、ソマリア、トンガ、ニジェール、チャド、タジキスタンの6か国だけが、2100年時点で、人口の維持に必要とされる女性1人当たりの出生率2.1を越えると予想された。

 IHMEの研究者、ナタリア・バッタチャルジー(Natalia Bhattacharjee)氏は「影響は計り知れない」と述べる。

 同氏は「将来的に予想される出生率と出生数の動向は、世界経済と国際的なパワーバランスを大きく再構成し、社会の再編成が余儀なくされる」とし、「ほぼ全ての国の人口が減少に回った時点で、経済成長を持続させるためには自由移民に依存する必要性が生じてくる」と続けた。

 一方、世界保健機関(WHO)の専門家は、発表された予測には、主に開発途上国に関するデータが数多く不足していることを指摘し、注意を促している。

【翻訳編集】AFPBB News

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