森トラスト・SBR・Octa・三菱HC 仙台トラストタワーのホテルやオフィス等で清掃や配送ロボットのインフラ連携の実証実験を公開

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2024年2月13日、森トラスト、ソフトバンクロボティクス、Octa Robotics、三菱HCキャピタルの4社は「仙台トラストタワー」において、ロボットの社会実装にむけた実証実験の様子を報道陣向けに公開した。森トラストでは、2014年度からヒトとロボットが共存し、協働できるロボットフレンドリーな空間・環境の構築について研究を進めている。

実証実験の一部を公開したホテル清掃ロボット
●ロボットの環境に関わる実証実験
観光業など第三次産業におけるロボットの社会実装には、物理環境(段差、通路幅、床・壁材、照度、通信環境等)の標準化が重要な課題のひとつと認識しているという。今回の取り組みは、同4社が共同で進めている研究開発で、経済産業省による補助事業「令和5年度革新的ロボット研究 開発等基盤構築事業」に採択されているもの。
●ホテル・オフィス・商業施設においてエレベータや自動ドアなどにロボットが適用
4社での共同研究は2021年度から実施しており、3期目となる今年度は、ホテル・オフィス・商業施設の3つの機能をもつ複合施設「仙台トラストタワー」において、清掃ロボットや配送ロボットが、エレベーターや自動ドアなどの“障壁”を乗り越えて縦横に移動する工程や、ロボット同士が協調し衝突などを避ける方法、ロボットの自己位置認識のためのマーカー(標識)の共有化などを総合的に検証している。
●デリバリーロボットと清掃ロボットの様子を公開
2月13日は、1階の商業施設から5階のオフィスフロアに食品(コーヒー)をデリバリーするロボットと、仙台トラストタワー上層階の「ウェスティンホテル仙台」において、1階のホテルエントランスから26階のホテルフロント前まで自力でエレベーター移動し、清掃するロボットの様子を公開した。また、ロボットのメーカーに依存しない共用の充電ステーション(充電エリア)の開発風景や、ロボットの自己位置認識のためのマーカー(標識)の設置例についても開発の進捗状況を説明した。

実証実験の一部を公開したオフィス配送ロボット「仙台トラストタワー」での実証実験は、今月(2024年2月)まで実施予定で、オフィス入居企業からの実証実験への協力申し出などもあったことから、食品デリバリーロボットの実証実験を中心に追加で実施する見込みだという。
●東京で「令和5年度革新的ロボット研究 開発等基盤構築事業」 成果報告会を3月開催
2024年3月には、東京にて「令和5年度革新的ロボット研究 開発等基盤構築事業」に採択されたプロジェクトを推進するグループが一同に会す「2023年度 成果報告会」が開催され、同社グループも成果報告を実施する予定となっている。今後は、ロボットフレンドリー施設推進機構 RFA等と連携し、今回の検証結果をサービス ロボット導入に関わるさまざまなパートナーと共有できるガイドラインとして提言することで、 サービスロボット導入の加速に貢献したい考えだ。

経済産業省による補助事業「令和5年度革新的ロボット研究 開発等基盤構築事業」:
ロボットの導入が進んでいないサービスなどにフォーカスをあて、ユーザー側の既存の業務プロセスや施設環境などを見直すことを前提とした、「ロボットフレンドリーな環境」を構築するための開発を行う者に対して補助金を交付する事業。事業期間は2020年度から2024年度まで。https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/mono/robot/230929_robotfriendly.html