「和食店でのデート。女性にコレされたら萎える…」32歳男が幻滅した女のマナーとは
男と女は全く別の生き物だ。それゆえに、スレ違いは生まれるもの。
出会い、デート、交際、そして夫婦に至るまで…この世に男と女がいる限り、スレ違いはいつだって起こりうるのだ。
-果たして、あの時どうすればよかったのだろうか?
できなかった答えあわせを、今ここで。
今週のテーマは「お座敷へ上がるスタイルの店でのデート。男が見ていたのは?」という質問。さて、その答えとは?
▶【Q】はこちら:お座敷へ上がるタイプの和食店でのデート。女が靴を脱いだ時に、男が見ていたのは…
仕事終わりに、スマホを見ると桃香から連絡が入っている。
― 桃香:この前話していた恵比寿のお店、いつ行く?
「あ〜そうだ…そう言えば、この前そんな話をしたな…」
そう思ったけれど、正直もう桃香と食事へ行くつもりはない。悪い子ではないけれど、二度ほどデートをした結果、僕のテンションはわかりやすく下がっている。
だから“しばらくは忙しい”ことにして返信をしてみる。
― ryo:今月出張が多いから、また来月行こう。
僕の女性を見る目が厳しいのだろうか?いやでもきっと、世の男性は僕が桃香に興味を失った理由に、共感してくれると思う…。
A1:最初はバーだったので、気がつかなかった。
桃香とは、女友達の紹介で出会った。「誰か可愛い子いたら紹介して」と以前から彼女に頼んでいたら、桃香を紹介してくれたのだ。
その女友達は妊娠中だったこともあり、初顔あわせは表参道のカフェだった。
お願いしていた通り、可愛かった桃香。
― ラッキー。すごい可愛いじゃん。
僕たちはすぐに連絡先を交換し、二人で会うことにした。しかしお互い忙しく、なかなか日程が合わない。
調整した結果、翌週の金曜の夜、お互い会食を終えた後に会うことになった。
お互い2軒目だったので、一見エントランスがわからない知る人ぞ知る恵比寿のバー『A10』で落ち合う。
「本当は食事したかったけど…また今度ゆっくりね」
せっかくのデートだから食事もしたかったが、2人の予定が合う日は先になってしまう。早く会いたかったので、結果的には良かったのかもしれない。
「こうやって桃香ちゃんに会えただけでも嬉しいし」
急に頬が赤くなった桃香。それがすごく可愛く見えて、僕の頬が思わず緩む。
「桃香ちゃん、忙しそうだね」
「涼くんのほうこそ。ここのバー、よく来るの?」
「うん、この雰囲気が好きで」
「そうなんだ。素敵なバーだね」
エントランスも面白いけれど、内装も僕は好きだ。
そんな会話をしながら、僕たちはもう食事は済ませていたため、とりあえずお酒だけ飲むことにした。
「このカクテル、美味しい!」
「でしょ?この演出もすごいよね」
店内は雰囲気も客層もいい。カウンター席だったので、なんとなくお互い肩を寄せ合う。
「桃香ちゃんは、今本当に彼氏いないの?」
「いないよ」
「どういう人が好き?」
「優しくて、顔で言うと塩顔かな…」
「え、俺じゃん!(笑)」
桃香のタイプを聞いて、心の声が思わず漏れる。僕は塩顔だし、かなり優しい部類に入ると思う。
すると桃香はケタケタと笑っている。
「涼くん、それ自分で言う?」
「あ、間違えた?」
「間違えてないよ♡」
この日は深夜1時過ぎまで二人で話し込んだが、あまりにも楽しかったので、またすぐに会いたいと思った。
だから解散する前に、次の約束をした。
「再来週の金曜は?」
「その日ならいける!」
「じゃあこの日に決定で。店選んでおくね。桃香ちゃん、苦手な食べ物とかある?」
次の会うのがとても楽しみだったし、帰り際、桃香に今日の感謝の気持ちを伝えたくなるほど良い時間だった。
「今日楽しかったな〜。ありがとう」
「私も!涼くんといると楽しいな」
「次も楽しみだね」
この時まで、僕は桃香に対して好感を持っていた。しかし二度目のデートで、かなり冷めてしまうことになる…。
A2:食べ方のマナーがなっていない。
二度目のデートは、西麻布にある和食屋を予約した。
ただ、通されたのが座敷スタイルの席だったので、内心「しまったな」とも思った。なぜなら、ファッションのトータルコーディネートの問題で、靴を脱ぐのを嫌がる女性もいるからだ。
案の定、到着した桃香も一瞬「え?脱ぐの?」みたいな顔をしている。でも桃香が靴を脱いだ時、そう思った理由がよくわかった。
桃香のタイツの爪先に、白い毛玉がたくさんついていたからだ。
― これ、見なかったことにしたほうがいいんだろうな。
そう思ったので、僕は極力平常運転を装う。
「桃香ちゃん、何飲む?」
「ハイボールにしようかな。涼くんは?」
「俺もそうする」
でも、最初は見逃したものの、そのあとも次から次へと気になる点が出てきたので、僕は心の中でツッコミ続けていた。
「俺、日本酒にしようかな」
「いいね。私もそうする」
食事も進みしばらくすると、気が抜けたのか、桃香は急にリラックスした感じになってきた。
「脚伸ばしちゃお…ここ、くつろげていいね」
そう言うと、畳の上で急にくつろぎ始めた桃香。
足を崩すのがダメではないのだけれど、飲食店で、しかも一応初めての食事デートで両足をだらんと伸ばしている。
その姿を見て、「素敵な女性だな」とは思う人はいるのだろうか…。
「いいよね。あと冬って、こういうくつろげる感じがいいよね」
「お鍋とか、おでんとかいいよね〜」
思わず桃香の姿をじっと見ていると、先ほどから銀杏がポロポロと落ちている。
「銀杏って、食べるときにコロコロ転がりがちだよね」
「そう?こやって箸持ったら上手くできない?」
たぶん、箸の持ち方が悪いから上手くつかめないのだろう。
しかもさらに桃香の手元を見ると、魚にほとんど手をつけていない。いや、正確には手はつけているけれど、とにかく食べ方が汚い。
「あれ…桃香ちゃん、魚もしかして苦手だった?ごめん、先に聞いてからオーダーすれば良かったね」
「全然!好きなんだけど、上手く食べられなくて」
「まだまだ食べられる部分があるから、やってあげようか?」
「いいの?ありがとう」
この時点で、僕はかなり幻滅してしまっていた。
小姑のようなことは言いたくないけれど、日本人として生まれているのだから、せめて箸は正しく持ち、魚くらいは綺麗に食べられるようになっていてほしい。
一旦気になり始めると、桃香の食事中のマナーに次々と目につく。
― この子、育ちが…。
完璧でなくてもいい。でも最低限の食事のマナーと品格だけは持ち合わせていてほしい。
この日は2軒目までは行ったけれど、僕の中では完全に終わってしまった。
▶【Q】はこちら:お座敷へ上がるタイプの和食店でのデート。女が靴を脱いだ時に、男が見ていたのは…
▶1話目はこちら:「この男、セコすぎ…!」デートの最後に男が破ってしまった、禁断の掟
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