●ステージに立ちつつ総務の仕事も抜かりなし

テレビ埼玉(テレ玉)の正月恒例特番『第32回埼玉政財界人チャリティ歌謡祭』(1月1日19:00〜 ※再放送:同7日19:00〜)。年々磨きがかかる出場者のユニークなパフォーマンスと、お堅いイメージの政財界人とのギャップが大きな話題を集め、今や県を越えて“埼玉の奇祭”と呼ばれるようになり、今回初めて再放送後にYouTube配信されることが決まった。

マイナビニュースでは12月2日、4年ぶりに大宮ソニックシティ 大ホールで行われた収録を取材。出場者らに本番のステージ直後に行ったインタビューをお届けする。

今回は、財界人の後半出場者に直撃。32回フル出場のレジェンドから80歳での引退宣言が飛び出したほか、前年の教訓を生かしてホームページのサーバー強化に取り組んだ企業もあった――。

(左から)コマームの小松君恵会長、ケアハウス和みの里の山中和子理事長、馬車道の木村徳治名誉会長、清水園の清水志摩子社長 (C)テレ玉

○放送中にホームページがダウン「びっくり!」

保育・子育て支援事業を手がけるコマームは、2回目の出場。前回は放送中に会社のホームページがダウンしてしまう事態が発生し、小松君恵会長は「ものすごい反響で、びっくりしちゃいました!」と驚きを振り返る。

そこで、今回の放送に向けてサーバーを強化。共にステージに立った君恵会長の四男・小松将人さんは「ホームページもリニューアルしまして、どれだけ調べていただいても大丈夫な状態にしております。これは私の総務部としての仕事です」と、本業も抜かりない。

今回披露するのは、君恵会長が作詞したオリジナルソング「こころま〜るく♪ちがうから☆ワクワク」。「いろんな方がいて、間違えてもいいから誰でも楽しく共存できるSDGsソングです」(将人さん)というこの歌は、児童センターや街のお祭りで披露しているが、『埼玉政財界人チャリティ歌謡祭』という大舞台でのパフォーマンスに、「(一緒にステージに立った)子どもたちがみんなワクワクしてました! “みんな違うんだよ”というのがテーマなので、衣装もそろえていないんです。言葉の出ない子も高揚してワクワクするんだと支援者の方が言ってくれるので、今年も頑張って出ることになりました」(君恵会長)と明かした。





(C)テレ玉

○練習後のご飯会がコミュニケーションの場に

16回目の出場となったケアハウス和みの里・山中和子理事長は「やっぱりあがりますね。皆さんにいいところを見せようという気持ちが先走っちゃって」と、ベテランでも緊張してしまうのだそう。

バックコーラスは、日頃から理事長を支えてくれる人たちで、「みんな子どもだと思ってるんです。ですから、その子どもたちの意見を聞いて曲を決めました」と、ピンキーとキラーズ「恋の季節」を披露。

練習は1週間に1回、2カ月にわたり行ってきたが、「子どもたちは練習の後のご飯と一杯が楽しいらしくて、それ目当てで来る子もいます(笑)」と、コミュニケーションの場になっているようだ。





(C)テレ玉

●「『歌謡祭』は、私の命そのもの」

こちらも大ベテランで、17回目の出場となった馬車道の木村徳治名誉会長は、4年ぶりのソニックシティのステージに「やっぱり最高ですね! おかげさまで、自分でも満足する歌が歌えました」と笑顔。

毎年、石原裕次郎の曲を歌い上げているが、今回「北の旅人」を選曲したのは、「時期的にもちょうど寒くなってきたのと、裕次郎で残された曲がこれぐらいしかなかったんです」という。それでも、恒例の馬車道スタッフによる“矢羽根隊”の踊りや、料理人の“花道パネル”演出も加わってステージを盛り上げた。

長年出場を続け、「これが限界かな」と思うこともあるそうだが、ステージに立つと「来年も頑張ろうかなと思っちゃいます。1年が『歌謡祭』を中心に回ってるから、もう中毒になってる(笑)」といい、「明日から選曲を考えて、特訓したいと思います。『歌謡祭』は、私の命そのものですから!」と、早くも次回出場への意欲を示した。





(C)テレ玉

○清水志摩子社長「あと2回ですね」

財界人のトリは、『埼玉政財界人チャリティ歌謡祭』に欠かせない32回フル出場の清水園・清水志摩子社長。「最初は、私とサイサンの川本(二郎会長)さんと、三国コカ・コーラボトリングの宮田(保夫会長)さんの3人でやろうということで始めたんですけど、皆さんドタバタでもう面白かったですよ(笑)」と草創期を懐かしむ。

時を経て、女性の出場者も増加。今回は6人となったが、「女性の市長が誕生すると、“あんた出なさいよ”と声をかけているんです」と、その躍進の裏には志摩子社長の剛腕があるようだ。

それだけに、まだまだ活躍が期待されるが、「私ね、今78歳なんですよ。だから80歳で終わりしたい。(今回を除き)あと2回ですね」と、まさかの引退宣言。70歳のときに引退を考えた際は、引き止められて現在に至るが、「どんどん若手が出てきて、頑張ってもらいたいですね」と、後進に道を譲る考えを示した。





(C)テレ玉

○『第32回埼玉政財界人チャリティ歌謡祭』出場者 ※【 】内は出場回数

1:東京ガス(株)埼玉支社・細田千恵支社長【2】/SEKAI NO OWARI「RPG」

2:上里町・山下博一町長【初】/赤い鳥「翼をください」

3:(株)埼玉りそな銀行・福岡聡社長【初】/菅田将暉「虹」

4:蓮田市・山口京子市長【初】/ザ・ピーナッツ「恋のバカンス」

5:YKK AP(株)埼玉支社・水野彰二支社長【初】/高橋洋子「残酷な天使のテーゼ」

6:草加市・山川百合子市長【初】/木村弓「いつも何度でも」

7:(株)サイサン・川本武彦社長【16】/矢沢永吉「止まらないHa〜Ha」

8:埼玉県議会・立石泰広議長【初】/NAT KING COLE「L-O-V-E」

9:(株)コマーム・小松君恵会長【2】/「こころま〜るく♪ちがうから☆ワクワク」※オリジナルソング

10:桶川市・小野克典市長【6】/美空ひばり「川の流れのように」

11:ケアハウス和みの里・山中和子理事長【16】/ピンキーとキラーズ「恋の季節」

12:川口市・奥ノ木信夫市長【8】/吉田拓郎「今日までそして明日から」

13:(株)馬車道・木村徳治名誉会長【17】/石原裕次郎「北の旅人」

14:さいたま市・清水勇人市長【14】/さいたま市の歌「希望(ゆめ)のまち」

15:(株)清水園・清水志摩子社長【32】/村上進「鏡の中のつばめ」

16:埼玉県・大野元裕知事【4】/Kiroro「未来へ」