男と女は全く別の生き物だ。それゆえに、スレ違いは生まれるもの。

出会い、デート、交際、そして夫婦に至るまで…この世に男と女がいる限り、スレ違いはいつだって起こりうるのだ。

-果たして、あの時どうすればよかったのだろうか?

できなかった答えあわせを、今ここで。

今週のテーマは「普通にやり取りをしていたはずなのに…未読スルーになった理由は?」という質問。さて、その答えとは?

▶【Q】はこちら:「会っている時は、いい感じだったのに…」日程調整LINEを、彼に送ったら未読スルーされたワケ




気がつけば、もう2023年も終わろうとしている。あっという間に過ぎていく12月。

今年は会社関係や友人との忘年会も復活したので、昼も夜も忙しい。

そんななか、1ヶ月ほど前に出会った紗夜。友達を通じて知り合い、二度ほど一緒に飲んだがまったく嫌なイメージはない。

でも、僕は最後に紗夜からきたLINEに既読をつけていない。

それまで普通にやり取りをしていたのに、急に未読スルーにした理由はシンプルだ。


A1:良い子だったし、方面が一緒だったから。


1ヶ月前、男友達の俊介も含め数人で会食を終えた後、飲み足りない僕と彼は飲み直すことにした。

でも、男二人ではどこか味気ない。

そう思っていると俊介が「女友達に連絡をしてみる」と言ってくれた。

タイミング良く相手も女二人で六本木の『THE PUBLIC SIX』で飲んでいるとのことだった。僕たちは彼女たちがいる店に合流することになった。




俊介の友達の愛も、その隣にいる紗夜も可愛らしい子だった。

「ごめんね急に。初めまして俊介です。こちら、友達の賢太です」
「俊介久しぶりだね〜。私の友達の紗夜です」
「はじめまして、紗夜です」

軽く自己紹介を終えると、二軒目だったこともあり、僕たちはすぐに打ち解けた。

僕たちもお酒は強いほうだが、二人ともかなり飲める口で楽しかった。

「愛ちゃんも紗夜ちゃんも、お酒強いね」
「弱くはないかもだけど…」
「今日合流して良かったわ〜」
「本当に。楽しいね!」

しかし楽しくてあっという間に時間が過ぎて、気がつけばもうすぐ24時になろうとしている。




「二人とも、時間は大丈夫?」

僕が問いかけると、紗夜はニコニコとしながら答えてくれた。

「全然大丈夫です。家も近いので」
「どの辺りなの?」
「私は白金高輪で、愛ちゃんは芝浦のほうです」
「そうなの?僕、今赤羽橋だから、紗夜ちゃん家近いかも」
「本当ですか!?」

紗夜とは家も近いことが発覚し距離が縮まった。

それから1時間くらいして解散となったのだが、僕は当然の流れで紗夜を送っていくことにした。

遅い時間になってしまったし、六本木から白金高輪を経由してから自宅へ戻ることなんて、なんてことはない。

明るくてノリも良い紗夜とは、タクシーの中でも会話が弾んだ。

「すみません、遠回りになっちゃって…」
「全然だよ。むしろ遅くまで付き合わせちゃってごめんね。紗夜ちゃん、また飲もうよ」
「はい!連絡取り合いましょう」

― また飲みたいな。

そう思ったし、翌日もLINEのやり取りをして、もう一度会うことにもなった。


A2:飲み要員で欲しかったから&忙しかったから。


翌日。紗夜からお礼のLINEが来て、数通やり取りを繰り返した後で一旦は終わっていた。

しかしこの1週間後。僕は仲の良い会社の先輩と飲むことになった。先輩と飲むならば、誰か女の子もいてほしい。

― 誰かいい子いたかな…。

そう考えたときに、真っ先に思い浮かんだのが紗夜だった。

可愛くてノリも良く、お酒も強くて一緒に飲める。

― 紗夜がいてくれれば、とりあえず安心だし先輩も喜ぶかも。

だから善は急げとばかりに、僕は早速紗夜にLINEを送ってみる。

― 賢太:紗夜ちゃん、お疲れ!突然だけど、明日の夜は忙しい?もし時間があればご飯行かない?
― Saya:友達とご飯しているから、終わった後でよければ!

2軒目からでもまったく問題ない。むしろそのほうがいいかもしれない。

― 賢太:了解!僕も先輩といると思うから、連絡取り合おう。

結局、僕たちは翌日、2軒目から合流することになった。




しかも紗夜は友達を連れてきてくれたので、ちょうど2対2で良い感じになれた。

「こちら、紗夜ちゃんです。庄司先輩です」
「初めまして、紗夜です。私の友達の、美穂です」

もちろん、今日もしっかり盛り上がる。

先輩も嬉しそうにしており、楽しい会になった。これは隣にいる沙夜に感謝だし、僕自身も紗夜とまた飲みたかったので嬉しかった。

「ごめんね、急に。紗夜ちゃんに会いたくなっちゃって」

ちゃんと、言葉にしてお礼を伝えてみる。

でも、毎回こうやって突然呼び出すのも多少気は引ける。紗夜も忙しいだろうし、もし万が一彼氏がいたら大変だ。だから一応確認を取ってみる。

「紗夜ちゃんって、今彼氏とかいないの?」
「いないよ。賢太君は?」
「僕も今彼女いないよ。絶賛募集中で」

お互い独身で、彼氏彼女ナシ。しかもこうやってカジュアルに飲める。

紗夜は僕にとって、とても“有難い”存在となっていた。




そしてこの翌日も紗夜はいつもの通り、お礼のLINEを送ってきてくれた。

― Saya:昨日もありがとう!楽しかったね。
― 賢太:昨日もありがとうね〜。ちなみに、今週木曜は忙しいよね?この前いた俊介と飲むかもなんだけど。

さすがに誘い過ぎか?とも思ったけれど、ある意味僕は味をしめてしまったのかもしれない。

紗夜を飲みに誘うと、紗夜自身も誘いやすいうえに、誰か他の女の子も連れてきてくれる。

困ったときに、とりあえず紗夜に聞けば何とかなりそうだ。

でもスマホの画面に表示された紗夜からの返信を見て、僕は少し肩透かしを食らった気分になった。

― Saya:ごめん、今週木曜は忙しくて。来週はどう?

来週は、僕が忙しい。それに今週木曜に飲む予定があったので、その時に誰か女の子が欲しかった。

一旦LINEの画面を長押しして、内容を全部確認してから、既読をつけずに考えてみる。

「彼女でもないし、『僕が来週忙しい』なんて、別に言わなくてもいいことだしな…。そもそも、来週も飲みたくなる可能性も高いし…。とりあえず今週の件は、他の子を探してみよう」

そうやって、可能性を残しながら僕は他の子とも同時にやり取りをし始めた。

するとどんどん紗夜からのLINEは画面の下のほうへと下りていく。

時間が経てば経つほど、どう返信すべきかもわからなくなるし、放置気味になっていく。

別に、嫌いなわけではない。嫌いだったら、二度も会わないし連絡もしない。

ただ今は面倒で、そしてちょっと忙しい。だからしばらく、僕はこのまま未読にしておくことにした。

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▶1話目はこちら:「この男、セコすぎ…!」デートの最後に男が破ってしまった、禁断の掟

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今年の恋愛は、今年のうちに精算!?