22日前場の香港マーケットは、主要82銘柄で構成されるハンセン指数が前日比72.15ポイント(0.43%)安の16548.98ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が38.66ポイント(0.69%)安の5581.25ポイントと3日ぶりに反落した。売買代金は476億7630万香港ドルとなっている(21日前場は362億430万香港ドル)。
 中国の産業締め付けが嫌気される流れ。国家新聞出版署は22日、オンラインゲームの過度な支出を抑制するため、監督管理を強化する方針を発表した。昨夜の米株高などを手がかりに指数は高く推移していたが、前引けにかけて急速に売りが広がった。(亜州リサーチ編集部)
 ハンセン指数の構成銘柄では、オンラインゲームを展開する網易(9999/HK)が12.2%安、騰訊HD(700/HK)が7.2%安と下げが目立った。指数関連以外の関連銘柄も軒並み急落している。ハンセン科技(テック)指数は1.5%下げた。
 中国不動産セクターも安い。広州富力地産(2777/HK)と合景泰富地産HD(1813/HK)がそろって3.5%、中国恒大集団(3333/HK)が2.5%、融創中国HD(1918/HK)が2.1%ずつ下落した。
 自動車セクターの一角も売られる。中国恒大新能源汽車集団(708/HK)が10.2%安、小鵬汽車(9868/HK)が2.1%安、長城汽車(2333/HK)が1.9%安、五菱汽車集団HD(305/HK)が1.3%安で引けた。
 半面、海運セクターは高い。東方海外(316/HK)が3.2%、海豊国際HD(1308/HK)が2.9%、中遠海運能源運輸(1138/HK)が1.8%、中遠海運HD(1919/HK)が1.5%ずつ上昇した。運賃上昇の思惑が浮上。スエズ運河に通じる紅海を運航する商業船に対し、イエメンの親イラン武装組織フーシ派が攻撃を続けていることを受け、各海運大手に紅海を迂回する動きが広がっている。
 レアアース関連の銘柄もしっかり。ニッケル・コバルトの生産で世界大手の金川集団国際資源(2362/HK)が3.4%高、希土類磁石メーカー大手の江西金力永磁科技(6680/HK)が2.8%高、希土類製品・耐火材大手の中国稀土HD(769/HK)が1.5%高、非鉄金属・鉱石など生産・貿易の五鉱資源(1208/HK)が1.4%高で前場取引を終えた。中国政府は21日、レアアースを使った高性能磁石などの製造技術の輸出を禁止すると発表。価格上昇の期待が広がった。
 一方、本土マーケットは続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比0.50%高の2933.25ポイントで前場の取引を終了した。エネルギー株が高い。インフラ関連株、素材株、金融株、消費関連株なども買われた。半面、医薬株は安い。不動産株も売られた。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)